ブックタイトル臨床で活かせるアロマ&ハーブ療法

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概要

臨床で活かせるアロマ&ハーブ療法

22第2章 領域別のアロマ&ハーブ療法心身疲労 ストレス環境下では,ヒトの視床下部・下垂体・副腎皮質系hypothalamic ? pituitary ?adrenal axis(HPA 系)および交感神経系が亢進し,生態防御機能を低下させます.また交感神経系の亢進は活性酸素を発生させ,細胞に酸化障害を与えて各種の疾病を引き起こします.これに対して植物の芳香など自然由来の快刺激は,HPA 系や交感神経系を抑制し,心身にリラックス効果をもたらします.また,植物化学(フィトケミカル)成分が有する抗酸化・抗炎症作用は,細胞レベルで酸化変性や慢性炎症を防ぎ各種の機能障害を予防します. ストレス下で生じる疲労は,生体にとって健康がおびやかされるアラーム(警報)といえます.このアラームを受けて,ストレスを上手に回避したりライフスタイルを改善すれば健康を回復することができますが,ストレスがある閾値を超えると,さらに状態が悪化して不眠や抑うつへと進行します.ストレスが与えるダメージに対しては,自然治癒力(自己治癒力と自己調節機能)によって修復が図られますが,植物の力を活用することで,ストレスに対する適応力を高めたり,回復を早めることが可能です.そもそも植物化学成分は,植物が紫外線や外敵などのストレスに対して適応するために自ら生合成した成分といえます.大切なことは,その日の疲れは翌日まで持ち越さず,その日のうちに解消することです.メディカルハーブ眼精疲労・肉体疲労の回復に OA 機器で目を酷使すると,頭痛や肩こりを生じます.ビルベリーやカシス(ブラックカラント),ハイビスカスに含まれているアントシアニン色素は眼精疲労の回復を早めます.女性に人気のハイビスカスとローズヒップのブレンドは,クエン酸やハイビスカス酸などの植物酸とビタミンCの相乗効果が得られ,血液循環やエネルギー代謝が高まり,肩こりや腰痛など肉体疲労の回復に役立ちます.● ビルベリー● カシス(ブラックカラント)● ハイビスカス● ローズヒップ1 精神科領域の植物療法