ブックタイトル処方Q&A 循環器疾患

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概要

処方Q&A 循環器疾患

154のため不応期が長くなり(IK1電流の増加による),房室ブロックやリエントリーが多く,低K血症では逆に不応期が短くなり(IK1電流の低下による),triggered activityや異常自動能が起きやすくなる.また,低K血症はNa+/Ca2+交換系にも影響し,細胞内Ca2+が増加し,期外収縮などが出現し心室細動に移行することもある.期外収縮が頻発する刺激に敏感な低K血症と,P波が消失し房室ブロックで徐脈になる刺激に鈍感な高K血症と,どちらも不整脈の発現に関連しており補正が必要であることは変わりないが,心電図と合わせて評価することが重要である.高K血症の原因と治療高K血症は,一般的に血清K+濃度5.5mEq/L以上と定義されている.高K血症では伝導遅延と活動電位持続時間の短縮により,リエントリーが起こりやすい.心電図変化としては,最初にテント状T波がみられ,T波増高,PQ間隔の延長,wide QRSへと変化し,P波が小さくなり,いずれは消失する.さらにQRS 幅が延長することで,サインカーブパターンとなり心停止に至る.このように心電図変化を認める場合は,緊急治療の対象となる.特に6.5mEq/L以上では,心停止あるいは心室細動を起こすリスクがあり,非常に危険であるため,緊急の治療が必要となる.高K血症の原因としては,①腎臓からのK+排泄低下,②K+の細胞外への移行,③K+の負荷の3点に大きく分けられるが,最大の原因は腎臓からのK+排泄低下である.特に循環器疾患では,K保持性利尿薬の副作用として日常臨床上遭遇することが多い.ジギタリス製剤の服用に伴う高K血症も,K+の細胞外への移行が原因であるため,腎機能障害症例には特に注意が必要である.そのほかにも高K血症をもたらす薬剤として,ACE阻害薬,NSAIDs,トリメトプリムなどがある.図1 高K血症の心電図の例K正常K高値テント状のT波P波が消失する幅広のQRS電位が上がり難くなる電位が下がりやすくなる高Kでは膜電位が高いR波が低くなるT波の幅が狭く,左右対称で尖って大きくなる正常QRS波が幅広く心室の膜電位心電図