ブックタイトル処方Q&A 循環器疾患

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概要

処方Q&A 循環器疾患

9614 カテコラミン,PDEⅢ阻害薬の導入方法と減量のコツ,使い分けについて教えてください.カテコラミン/PDEⅢ阻害薬の作用機序1 カテコラミンの作用機序日常臨床で最も使用されるカテコラミンは心筋のβ1受容体に結合することにより強心作用を発揮する(図1).β1受容体はGタンパク共役型受容体であり,このGタンパクはアデニル酸シクラーゼの活性化を介してcAMPが産生され,cAMPがプロテインキナーゼAを活性化し,細胞内の各種標的タンパクをリン酸化することにより強心作用を発揮する.プロテインキナーゼAの標的タンパクは,電位依存性Ca2+チャネル,筋小胞体のホスホランバン,トロポニンⅠである.電位依存性Ca2+チャネルの活性化により,心筋興奮時に細胞外からのCa2+流入量が増加し,心筋収縮性が増強する.ホスホランバンの活性化は,収縮後のCa2+の筋小胞体への再取り込みが促進され,弛緩速度が速くなる.トロポニンⅠのリン酸化によっても,心筋の弛緩が促進する.つまり,カテコラミンはcAMPの増加を介して,心筋収縮で重要な働きを担っているCa2+の挙動を制御することにより強心作用を持つ.これらの受容体への親和性は,カテコラミンの種類により異なっており,その違いがそれぞれの薬剤特性を決定している(表1,2).2 PDEⅢ阻害薬の作用機序一方,ホスホジエステラーゼⅢ(PDEⅢ)阻害薬は,細胞内でcAMPをAMPに分解する酵素であるPDEⅢを抑制することで細胞内のcAMP濃度を高め,プロテインキナーゼAの活性を介して心筋収縮力を増強させ,弛緩を促進し,末梢の血管平滑筋を弛緩させる(図1).図1 カテコラミン/PDEⅢ阻害薬の作用機序プロテインキナーゼAトロポニンⅠ5?-AMPβ 受容体PDEⅢアデニル酸シクラーゼATP cAMPPDEⅢ阻害薬Ca2+ Ca2+ Ca2+T管筋小胞体リアノジン受容体収縮タンパクL型Ca2+チャネルカテコラミンSERCA2ホスホランバンGs