ブックタイトル処方Q&A 糖尿病

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概要

処方Q&A 糖尿病

91第4 章 インスリン製剤?わが国で使用できる速効型インスリンと超速効型インスリン1 インスリンリスプロインスリンリスプロ(ヒューマログ?)は,ヒトインスリンのB鎖28位のプロリンとB鎖29位のリジンを相互に入れ替えたインスリンアナログです2).アミノ酸組成,分子量,等電点はヒトインスリンと変わらず,インスリン構造が変化してもリスプロのインスリン受容体への親和性はよく,インスリンとしての生理活性はヒトインスリンと差がありません3).2 インスリンアスパルトインスリンアスパルト(ノボラピッド?)は,ヒトインスリンのB鎖28位のプロリンをアスパラギン酸に置き替えたインスリンアナログです4).その結果,インスリンアスパルトはヒトインスリンよりも血中インスリン濃度のピーク値が2倍,ピーク値に達する時間は半分となりました5).3 インスリングルリジンインスリングルリジン(アピドラ?)は,ヒトインスリンのB鎖29位のリジンをグルタミン酸に置換して2量体形成を抑制しています.さらに,負電荷を帯びているB鎖3位のアス・六量体形成抑制Gly Ile Val Glu GlnCysCys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln LeuGluAsn Tyr CysAsnPhe Val AsnGln His LeuCysGly Ser His Leu Val Glu AlaLeu Tyr Leu Val CysGly Glu Arg Gly PhePhe Tyr Thr Pro Lys Thr3A鎖B鎖A鎖A鎖28 2928 29 28B鎖B鎖B鎖3 29Lys Glu Lys Pro Asp● グルリジン ●リスプロ ●アスパルトs sssss● ヒトインスリン・二量体形成抑制・単量体の安定化・二量体形成抑制・単量体の安定化A鎖表1 超速効型インスリンと速効型インスリンの種類と特徴分類名一般名発現時間最大作用時間持続時間超速効型インスリンアスパルト10 ~ 20分1 ~ 3時間3 ~ 5時間インスリンリスプロ15分未満30分~ 1.5時間3 ~ 5時間インスリングルリジン15分未満30分~ 1.5時間3 ~ 5時間速効型ヒトインスリン(ノボ) 約30分1 ~ 3時間約8時間ヒトインスリン(リリー) 30分~ 1時間1 ~ 3時間5 ~ 7時間(日本糖尿病学会編・著:糖尿病治療ガイド 2014-2015,pp56-58,文光堂,2014より引用,一部改変)図1 速効型ヒトインスリンおよび超速効型インスリンアナログの構造(文献1より引用,一部改変)