ブックタイトル処方Q&A 糖尿病

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概要

処方Q&A 糖尿病

第1 章 糖尿病治療の進め方?3力低下,手足のしびれなどの合併症の症状により受診し,診断される場合が多いです.2型糖尿病でインスリンの適応に該当しない場合,まずは患者背景を考慮した食事・運動療法を指導,実践します.2~3ヵ月行っても目標の血糖コントロールを達成できない場合には,高血糖の原因(食後過血糖,インスリン抵抗性,インスリン分泌能低下)を明らかにし,HbA1c 基準値以内を目指し,患者の病態,合併症,薬剤の作用特性を考慮して薬剤を検討します.インスリン絶対的適応時はインスリンを投与します.相対的適応時はインスリンを基本とし,状態が改善したら経口血糖降下薬などへの変更を検討します.薬剤投与量は最小用量から始め,1ヵ月にHbA1c 0.5 ~1.0%の低下を目指し,薬剤の増減に配慮します.特に網膜症を認める場合や,長期間にわたりHbA1c高値が持続している場合は,血糖をより緩徐な下降にします.単剤増量による血糖コントロールの改善(HbA1c 8.4%以上を持続など)がなければ,病態に適した薬剤を積極的に追加します.各種経口血糖降下薬やGLP-1受容体作動薬でも良好な血糖コントロールが得られない場合は,患者の実行力や生活環境などを考慮し,混合型インスリンの1日2回打ちや強化インスリン療法を検討します.2型糖尿病の初期では,持効型インスリンや中間型インスリンの1日1回打ちで良好な血糖コントロールが得られることも少なくありません.糖尿病を発症すると完治するものではなく,経過とともに血糖コントロールや合併症など病態により処方内容の検討が必要です.(佐々木英久) 文献1) 日本糖尿病学会編・著‥糖尿病治療ガイド2014-2015,文光堂,2014.α-グルコシダーゼ阻害薬,速効型インスリン分泌促進薬,SGLT2阻害薬ビグアナイド薬,チアゾリジン薬,SGLT2阻害薬スルホニル尿素薬,速効型インスリン分泌促進薬,DPP-4阻害薬強化インスリン療法食事・運動療法1型糖尿病インスリンインスリンインスリン2型糖尿病図2 1型および2型糖尿病の治療方針食後過血糖インスリン抵抗性インスリン分泌能低下インスリン相対的適応時・著明な高血糖・やせ型で栄養状態低下・ステロイド糖尿病・糖毒性時インスリン絶対的適応時・高血糖性昏睡・重度の肝,腎障害・重症感染症,外傷,中等度以上の外科手術・糖尿病合併妊娠・静脈栄養時血糖コントロール目標不達成状態改善および血糖改善時