ブックタイトル処方Q&A 糖尿病

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概要

処方Q&A 糖尿病

2糖尿病治療の目的は,良好な血糖コントロールを維持し,動脈硬化など合併症の発症,進展を予防により,健康な人と変わらない生活の質(quality of life ; QOL)を維持するとともに寿命を確保することにあります.糖尿病患者の多くは,肥満,高血圧,脂質異常症を伴い,血糖コントロールだけでなく,これらの改善や禁煙,節酒,生活習慣の是正が合併症の発症,進展予防に重要となります.糖尿病の血糖管理は,患者の年齢および病態を考慮して患者ごとに異なりますが,HbA1c 7%未満,空腹時血糖値130mg/dL未満,食後2時間血糖値180mg/dL未満を基本目標とし治療にあたります1)(図1).1型糖尿病の治療の進め方(図2)著しい高血糖,尿ケトン体陽性,意識障害により受診し,インスリン依存状態を認める場合が多く,ケトアシドーシスがある場合は,生理食塩水とインスリンの静注を行い,状態が落ちついたら,強化インスリン療法や持続皮下インスリン注入療法(continuous subcutaneousinsulin infusion ; CSII)により,健常者の血中インスリン変動パターンを模倣します.ケトアシドーシスの有無に関わらず,まず入院してインスリン導入はもちろん食事・運動療法についての指導を行います.特に小児・思春期の場合は,成長に必要なエネルギー量が不足しないように注意します.インスリン投与量は,毎日の血糖自己測定(SMBG)と身体活動レベル,エネルギー摂取量から調節し,良好な血糖コントロールを目指します.2 型糖尿病の治療の進め方(図2)健康診断による高血糖の指摘や,口渇,多飲,多尿,体重減少などの典型的な症状,視1型および2型糖尿病治療の進め方160(mg/dL)13011080140 180 220 (mg/dL)食後2時間血糖値空腹時血糖値( )内:HbA1c(NGSP)値(%)優(~ 6.2)良(6.2 ~ 6.9)良(6.9 ~ 7.4)(7.4 ~ 8.4)不可(8.4 ~)図1 血糖コントロールの指標