ブックタイトル処方Q&A 糖尿病

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概要

処方Q&A 糖尿病

20267 経口血糖降下薬を2種類以上併用する場合,推奨される組み合わせを教えてください.食後高血糖症例(図1 A)空腹時血糖はそれほど高くなく,食後血糖高値の患者について説明します.この場合,肥満のある症例ではインスリン抵抗性が主体の場合が多く,ビグアナイド薬やチアゾリジン薬などのインスリン抵抗性改善薬が第一選択になります.一方,肥満のない症例ではインスリン分泌能が低下していることが多く,速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)が第一選択となります.最近では肥満のある,なしにかかわらず,DPP-4阻害薬やα-グルコシダーゼ阻害薬も第一選択として使用されています.これらの薬剤を使用しても(通常は3~6ヵ月)目標血糖値が得られない場合には,併用療法を考慮します.その場合には,作用機序の異なる薬剤を選択すると効果的です(Q61 図1参照)1).メトホルミンは,胆汁酸吸収抑制を介したGLP-1分泌の促進やGLP-1受容体発現の増加に関与しているとされる報告があり,DPP-4阻害薬との併用で優れた効果を発揮すると考えられます.またα-グルコシダーゼ阻害薬は糖の吸収を遅らせることで小腸下部のL細胞からのGLP-1分泌を促進する可能性も報告されており,相性のよい組み合わせと考えられます.図1 糖尿病治療薬の推奨される併用第一選択薬第二選択薬第一選択薬第二選択薬A 食後高血糖B 空腹時高血糖チアゾリジン薬 ビグアナイド薬 DPP-4阻害薬α -グルコシダーゼ阻害薬速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)α-グルコシダーゼDPP-4 阻害薬 ビグアナイド薬 阻害薬速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)肥満(+) 肥満(-)ビグアナイド薬チアゾリジン薬DPP-4阻害薬スルホニル尿素薬(SU薬)ビグアナイド薬チアゾリジン薬α -グルコシダーゼ阻害薬DPP-4阻害薬速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)肥満(+) 肥満(-)