ブックタイトルプロフェッショナルから学ぶ 医薬品副作用の対応50

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プロフェッショナルから学ぶ 医薬品副作用の対応50

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プロフェッショナルから学ぶ 医薬品副作用の対応50

1 医薬品副作用対策─対応と心構え3医薬品有害作用の種類と分類医薬品有害作用の種類は多種多様であり,程度,発現型および発現部位によってそれぞれ分類される(表Ⅰ-1).有害作用の程度では,頭痛,めまい,食欲不振などの「軽度な副作用」と,ショック,けいれん,不整脈などの「重大な副作用」に分けられるが,発疹,肝障害,血液障害などのように,程度によってどちらにもなりうる症状も少なくない.有害作用の発現型では,「症状」と「無症状(臨床検査値異常)」に分けられ,「症状」はしびれ,かゆみなどの「自覚症状」と,発疹,黄疸などの「他覚症状」に分けられる.また,肝障害や血液障害などの臓器障害は,軽度の場合には無症状で「臨床検査値異常」として診断される場合が多く,「臨床検査値異常」は医薬品による有害作用全体の1/4 程度を占めると考えられている1).なお,肝障害や血液障害なども重症化に伴って「症状」が発現してくる.医薬品有害作用の発現部位では,発疹や?痒感などの皮膚症状の発現率が最も高く,次に頭痛やめまいなどの神経障害と胃痛や腹痛などの消化管障害が続く.不眠や躁うつなどの精神障害,発熱や倦怠感などの一般全身障害,黄疸や肝炎などの肝・胆管障害,白血球減少や貧血などの血液障害,ならびに咳や呼吸困難などの呼吸器障害は中頻度である.また,口内炎や舌炎などの口腔粘膜障害,動悸や頻脈などの循環器障害,視力や聴力低下などの感覚器障害,ならびに排尿障害や血尿などの泌尿器障害の頻度はあまり高くない1,2).表Ⅰ-1 ● 医薬品有害作用の分類別の種類とその例分類種類例程度軽度な副作用悪心・嘔吐,食欲不振,便秘,下痢など重大な副作用ショック,昏睡,けいれん,不整脈など発現型症状発現自覚症状頭痛,めまい,しびれ,かゆみなど他覚症状発疹,充血,黄疸,脱毛など臨床検査値異常肝障害,腎障害,血液障害など(重症化に伴い症状発現)発現部位皮膚症状発疹,?痒感,腫脹,脱毛など神経障害頭痛,めまい,ふらつき,けいれんなど消化管障害胃痛,腹痛,便秘,下痢,胃潰瘍,大腸炎など精神障害不眠,躁状態,うつ状態,幻覚など一般全身障害発熱,倦怠感,脱力感,ショックなど肝・胆管障害黄疸,肝炎,胆嚢炎など血液障害白血球減少,血小板減少,貧血,汎血球減少など呼吸器障害咳,呼吸困難,喘息,肺炎,気管支肺炎など口腔粘膜障害口内炎,舌のあれ,歯牙の着色など循環器障害動悸,頻脈,不整脈,血圧上昇など感覚器障害霧視,視力低下,聴力低下,難聴など泌尿器障害排尿障害,頻尿,乏尿,血尿など