ブックタイトルプロフェッショナルから学ぶ 医薬品副作用の対応50
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プロフェッショナルから学ぶ 医薬品副作用の対応50
2医薬品副作用対策─対応と心構え1医薬品有害作用に対応する意義薬物の作用には,主作用main effects と副作用side effects がある.主作用は薬物本来の目的に有利な作用を指し,副作用は本来の目的から逸脱した副次的な作用を意味する.そこには人体にとっての善し悪しの概念はない.そのため,本来薬物の副作用には有害反応adverse reaction と副現象epiphenomenon の両方の意味が含有されるはずだが,臨床現場において医薬品の副作用は,薬物有害反応adverse drug reaction と同義語で用いられる.また,有害事象adverse event は,薬物を投与された被験者に生じたすべての好ましくない事象を指し,薬物と無関係な事例も含有する.薬物治療の安全性が叫ばれる今日では,医薬品の副作用は医療従事者にとって避けては通れない深刻な問題となっている.上述のように,いかなる医薬品も主作用と有害作用adverse effects,すなわち光と影の部分を併せ持っている(図Ⅰ-1).そのため,薬物治療の適正使用においては,両者の調整が不可欠である.それは,従来の薬学の主柱であった「創薬」に対比して,「操薬」ということができる.医師にとって,医薬品は治療の一手段であるため,医薬品の有効性に重点を置いた「操薬」になるが,薬剤師は医薬品の安全性に重点を置いた「操薬」になる.したがって,薬剤師は医薬品安全管理者drug safety manager としての立場が要求され,その医薬品安全管理drug safety management こそ医療における薬剤師の存在価値を示す重要な業務の一つであると考える.有害作用光と影有効性安全性医師医薬品安全管理者医薬品薬剤師主作用薬物治療図Ⅰ-1 ● 操薬と薬剤師の存在価値