ブックタイトル公衆栄養学実習 学外編 改訂2版

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概要

公衆栄養学実習 学外編 改訂2版

2 目 的2であることが示され,その中心的な役割を担うのが管理栄養士です. M E M O管理栄養士は,医療分野においては入院栄養管理実施加算や栄養指導への取組み,NST(nutritional support team)への参加,福祉・介護分野では栄養ケア・マネジメントの実施,さらに保健分野においては2008 年から特定健康診査・保健指導に参画することになりました.このように,管理栄養士は疾病の1 次予防である「保健」,2 次予防としての「医療」,3 次予防としての「福祉」,「介護」において,対人業務中心の高度な知識や技術が必要とされる栄養問題に取組むことになったのです.この中で,公衆栄養学実習のおもな目的は,「保健」の部分の栄養マジメントを遂行するためのスキルを習得することです.このため,管理栄養士養成課程のカリキュラムにおいては,公衆栄養学の講義,学内実習および臨地実習より最低6 単位以上の履修が必要とされています.本書は,この中の臨地実習に関して,より効果的に学習効果を上げるための手引き書として作成されたものです.新たな管理栄養士カリキュラムにおいては,「実践活動の場での課題発見,問題解決を通して,栄養評価・判定に基づく適切なマネジメントを行うために必要とされる専門的知識及び技術の統合を図り,管理栄養士として具備すべき知識及び技能を習得させる」と教育目標が示されており,「臨地実習」は管理栄養士の実践科目として重要な位置を占めています(図1-2).管理栄養士業務は,「モノ」中心の業務から「人」中心の業務に転換を図ろうとしています.すなわち,従来の献立・食品,栄養成分を取り扱うことを中心とした業務から,実際に生活し,人間の自立した食生活や健康を維持するための栄養ケアを支援する業務への転換を図ろうとするところに重点が置かれており,臨地実習はその実践能力を身につけるための重要な役割を果たすものです.「公衆栄養学」の臨地実習では,地域保健活動を推進するために専門的・技術的な業務を行っている保健所,あるいは一般的な栄養指導・保健指導業務を行っている市町村保健センターの実習をとおして,地域住民の健康を保持・増進する方法について履修します.2 目 的(表1-1)臨地実習の目的は「学生が市民に提供する各分野の保健サービスを通じて,公衆衛生活動の実践を体験するとともに,地域住民への予防的アプローチや関係機関等との連携・協働を通して,医療と保健との連続性と連携の重要性を理解し,将来の活動の場である地域保健領域において実践・連携できる人材となるよう育成を図り,もって,公衆衛生の向上・地域保健対策の推進に寄与することを目的とする」とあります.公衆栄養活動を推進する機関は,都道府県,地域保健法に基づく保健所を設置する市,特別区,市町村であり,中心となって活動しているのは,これらの機関に所属する行政栄養士です.しかし,公衆栄養活動は行政栄養士だけで推進することは困難で,保健師や歯科衛生士などの保健専門技術職員や行政職のスタッフなど,栄養士以外の職種の人々との職域を越えた横断的な取組みにより,活動を行う必要があります.