ブックタイトル食事調査マニュアル 改訂3版

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概要

食事調査マニュアル 改訂3版

A.食事記録法65が,記入したときの状態における摂取量として,一般的に考えられる範囲の量といえるものであるかどうか判断し,非常に多い,あるいは非常に少ない場合には,調査対象者に確認することができるであろう.大規模な調査では,秤量記録法であっても,すべての食材,調味料が漏れなく秤量されていることはむしろ少なく,食品の「かさ」などを説明されて,重量を推定できる技術は重要であると考えられる.また調査対象者が,可食部と廃棄部を明確に理解していないこともあるため,記入された重量が,可食部重量であるのか,廃棄部を含めた重量であるのかあいまいなことも多い.食材の廃棄部・廃棄率に関する知識があれば,廃棄部を持つ食材について,廃棄状況を確認することが可能であろう.調査票の整理と コード付け 調査対象者に確認面接を行った後は,朝食・昼食・夕食・間食の区切りを点検し,不明だった点に注釈をメモするなど,調査票の整理をする.そして調査員は,食事記録の一つひとつの食品に対して,食品番号を付ける作業(コード付け)を行う. コード付けは,① その食品に最も適切な食品番号を選択する,② 調査対象者の食事の実態に最も近いと推定される食品の摂取重量を決定する,という2 段階のプロセスがある.さらに,調理後の栄養素量を推定するための調査では,これに加えて,③ 適切な調理コード(国民健康・栄養調査方式の場合,81~82 頁を参照)を選択する必要がある. 収集された調査票において的確なコード付けを行うためには,食事内容を正確に把握する技術に加えて,その食事記録調査で決まっているコード付けのルールを十表2-1.食事記録調査票の点検チェックリストA.食事・料理に関する確認□1 記録日ごとに朝・昼・夕食があるかどうか,「欠食」か「記入漏れ」か確認□2 食事ごとに,主食があるかを確認□3 料理ごとに,調味料を確認□4 卓上調味料を使う料理を確認□5 料理名と使用食材の整合性を確認B.食品番号に関する確認□1 食品番号表に未収載の食品がないかを確認□2 詳細な区別をする必要のある食品は,食品の種類を確認□3 乾物食品は乾燥か水戻しかを確認し,重量も確認□4 「濃縮倍率」に注意する食品は,記録重量と希釈用水を確認C.食品重量に関する確認□1 重量が記載されていない食品がないかを確認□2 1回当たりの重量が多過ぎる(少な過ぎる)食品はないかを確認□3 食品重量を推定する際は,不明確な目安量や容量が記録されていないかを確認□4 廃棄率が大きい食品(貝類・すいかなどの皮つき果物)は,秤量された状態を確認□5 目測で記録されたような疑わしい重量がないか(乾燥食品,粉末状食品は要注意)□6 調味料は調理に使用した重量でなく,1人分の純摂取量が記録されているかを確認