ブックタイトル食事調査マニュアル 改訂3版

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概要

食事調査マニュアル 改訂3版

Ⅱ.食事調査の実際64に換算するべきである. また,最近の試みとして,レンズ付きフィルムやデジタルカメラ,カメラ機能付き付き携帯電話,スマートフォンなどによる写真を用いた食事調査も行われている.料理をスケールと一緒に撮影することによって,食材の大きさ・分量を具体的に推定することができる.しかし料理の内部に入っている使用食材を写せなかったり,色の具合によって食材を見誤ったり,食べ残した分量がわからないなどの理由で,食事記録と完全に置き換わるものではないと思われる.一方,写真は,食事記録の不備を補うツールであると考えると写真との併用は有用である. 以上,調査対象者に調査方法を説明するときの一般的なポイントをまとめた.秤量記録法における調査は,調査対象者に要求する事項(負担)が非常に多くなる.調査対象者への過度の負担は,調査への参加率を下げ,調査結果の解釈を難しくする.実際の調査では,上記のような基本をふまえたうえで,柔軟な対応を必要とする場合も多いだろう.どのような柔軟性を認めるかについても,必携に明示して,全調査員が同じ対応をとることが重要である. なお,第Ⅲ編に食事記録調査の様式と調査対象者への手引きの例を掲載した(第Ⅲ編の資料5).適宜参考にされたい.調査対象者への確認 面接~調査対象者の食物摂取状況を正確に把握するための具体的技能~ 受け取った食事調査票を限られた時間で点検し,調査対象者に質問すべき項目を列挙していくには,調査の精度に応じたチェック・ポイントを決めておくとよい(表2-1). 専門知識に相当する具体的な技能には,一般的な料理に用いられる食品(食材,調味料)の構成と量を知っていること,食品を見て(食品の「かさ」を説明されて)重量を推定できること,一般的な食品と調理法について,調理による重量変化を知っていること,一般的な食品の廃棄部と廃棄率を知っていることなどがある. 例えば,ある料理が記録されている場合,その料理に一般的に使われる食材,調味料とその重量に関する知識があれば,調査対象者の食材の記入漏れを発見しやすいであろう.また,調理変化に関する知識があれば,調査対象者が記入した重量調査方法を調査対象者に説明する際のチェック・ポイント□ 調査員自身が,調査方法の詳細とデータ処理の概要を十分に理解している□ 調査方法を説明するためのわかりやすい資料を用意している□ 普段の食事をそのまま正確に記録することが,調査対象者の食生活状況を的確に評価することにつながることを理解し,説明できる□ 記録を忘れやすい食事・食品と,それを防ぐ工夫を説明できる□ 食品を計量・記録するポイントを説明できる