ブックタイトル基礎栄養学 改訂9版

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概要

基礎栄養学 改訂9版

 食物が人間の健康や長寿にとって大切なことは誰もが認めるところであろう.十分な発育を遂げ,健康で能率的かつ充実した社会生活を営むためには,適切な食物を摂取することが不可欠である.人類の歴史をふり返ると,狩猟時代はもとより,遊牧民族,農耕民族の違いはあっても食物を得るために費やした時間は莫大であった.食物の入手方法,扱い方,食べ方について,それぞれの民族は経験的な知恵を集積し,伝承していった. a.栄養とは 栄養とは生物が外界から必要な栄養分を取り入れ,それを利用して生命現象を営むことをいう.それは健康な人体にとっては経口摂取する食べ物が消化・吸収され体内に取り込まれ,生命活動のために役立っていく過程のなかで人体の機能を維持するだけでなく,高めるために不可欠なものである.しかし,同じ食べ物でも,すべての個体にとって栄養として認められるとは限らない.個体の状態は同一ではないからである. 私たちは,栄養素として認められている物質を人体の栄養となるように摂取することが必要であり,発育や健康の維持・増進に結びつけていくことが重要である. b.生命の維持・健康保持と食生活のかかわり 日本人は古くから 米 を主要な食料として,米を食べることで栄養をまかなっていた.米は炭コメ水化物に富み,すぐれたエネルギー源であるばかりでなく,多量に摂ればたんぱく質も摂取できた.古来きびしい農作業には 1 日 1 升の 飯 (おおよそ 1,400 g)を食べたという.かりに玄めし米 5 合(約 700 g)からはエネルギー 2,450 kcal,たんぱく質約 48 g が摂取できる計算になる.毎食多量の飯を食べるためには,塩味を必要とし,また 早はや食 をしなければ満腹してしまう.食ぐい品貯蔵技術も塩蔵が主要な手段であった当時,漬物は重要な食品であった.したがって食塩の摂取量は非常に多く,高血圧の発症につながり,良質なたんぱく質性食品の不足は丈夫な血管A 栄養の定義11 栄養の概念