ブックタイトル高齢者保健福祉マニュアル
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高齢者保健福祉マニュアル
223-2 健康増進事業3-2-1 健康日本21健康日本21(第2次)に至る健康づくり対策の変遷● 第1次国民健康づくり対策(1978~1987年)・1978年から本格的長寿社会の到来に備え,第1次国民健康づくり対策が開始された.その内容は以下のようなものであった①妊産婦,乳幼児などを対象とした健康診査に加え,老人保健事業の実施を図って,生涯を通じた予防・検診体制の整備②市町村保健センターなどの設置と保健師などのマンパワー確保による基盤整備③(財)健康・体力づくり事業団などによる健康づくりの普及啓発活動の推進● 第2次国民健康づくり対策(1988~1999年)・1988年から第2次国民健康づくり対策(アクティブ80ヘルスプラン)として生活習慣の改善による疾病予防・健康増進の考えが発展した・健康運動指導士などの人材養成が図られるとともに,健康をまちづくりの中心におく構想(健康文化都市)の普及● 第3次国民健康づくり対策(2000~2012年)2000年から第3次国民健康づくり対策として健康寿命の延伸およびQOLを向上し,健やかで活力ある社会とするための対策として健康日本21(21世紀における健康づくり運動)が開始された● 第4次国民健康づくり対策(2013年~)・日本における健康対策の現状や健康日本21最終評価で提起された課題などを踏まえ,第4次国民健康づくり対策として健康日本21(第2次)21世紀における第2次国民健康づくり運動が策定された・生活習慣病の予防やこころの健康など5分野53項目の目標が設定され,健康寿命の延伸と健康格差の縮小などが盛り込まれたWHOの健康づくり戦略とわが国の健康づくり● 1978年に,「2000年までにすべての人々に健康を」を基本目標としたプライマリヘルスケアprimaryhealthcare戦略がアルマ・アタにて宣言● 1986年には,「個人が健康を増進する能力を備えること」と「個人を取り巻く環境を健康に資するように改善すること」の2つの理念を掲げたヘルスプロモーションhealthpromotion戦略がオタワにて提唱● ヘルスプロモーションの提唱をきっかけとして,ヨーロッパを中心にヘルシーシティーズ・プロジェクトhealthycitiesprojectが開始された.アメリカでは,1990年に生活習慣重視のヘルスプロモーション活動として,数値目標を設定した「ヘルシーピープル2000」が開始され,「ヘルシーピープル2020」へと引き継がれている● わが国の健康文化都市構想は,WHOのヘルシーシティーズ・プロジェクトと軌を一にする● ヘルスプロモーションの理念を踏まえ,日本では「健康日本21」が2000年から実施されることとなった● 生活習慣病という用語人々に生活習慣の重要性を喚起し,健康に対する自発性を促し,生涯を通じた生活習慣改善のための個人の努力を社会全体で支援する体制整備の一環として提案された(1996年12月の公衆衛生審議会による)健康日本21の経過基本理念:すべての国民が健康で明るく元気に生活できる社会の実現のために壮年期死亡の減少,健康寿命の延伸および健康に関するQOL向上を目指し,一人ひとりが自己の選択に基づいて健康を増進する.そして,その個人の活動を社会全体が支援していくこと基本方針:一次予防の重視,健康づくり支援のための環境整備,健康づくり運動の目標設定とその評価,さまざまな健康増進活動実施主体間の連携● 主な取り組みの分野:生活習慣や生活習慣病を9つの分野で選定し,それぞれの取り組みの方向性と具体的な目標を示している.①栄養・食生活,②身体活動・運動,③休養・こころの健康づくり,④たばこ,⑤アルコール,⑥歯の健康,⑦糖尿病,⑧循環器病,⑨がん.これらを受けて,都道府県および市町村においては健康増進計画が策定される● 健康増進計画の評価・具体的な諸活動の成果を適切に評価して,その科学的根拠に基づき,その後の健康づくり運動に反映させる・2007年4月に中間評価報告書が取りまとめられた.すでに目標を達成している項目もある一方で,改善がみられない項目やむしろ悪化している項目もみられた・当初の計画を2年延長し,2012年10月に健康日本21最終評価のとりまとめが行われた● 健康日本21最終評価:「目標値に達した」と「目標値に達していないが改善傾向にある」を合わせ,全体の約6割で一定の改善がみられた(内閣府:平成24年版高齢社会白書)A:メタボリックシンドロームを認知している国民の割合の増加,高齢者で外出について積極的態度をもつ人の増加,80歳で20歯以上・60歳で24歯以上の自分の歯を有する人の増加などB:食塩摂取量の減少,意識的に運動をこころがけている人の増加,喫煙が及ぼす健康影響についての十分な知識の普及,糖尿病やがん検診の促進などC:自殺者の減少,多量に飲酒する人の減少,メタボリックシンドロームの該当者・予備群の減少,高脂血症の減少などD:日常生活における歩数の増加,糖尿病合併症の減少などE:特定健康診査・特定保健指導の受診者数の向上(2008年からの2ヵ年のデータに限定されため)評価区分(策定時*の値と直近値を比較)該当項目数(割合)A 目標値に達した10項目(16.9%)B 目標値に達していないが改善傾向にある25項目(42.4%)C 変わらない14項目(23.7%)D 悪化している9項目(15.3%)E 評価困難1項目(1.7%)合計59項目(100.0%)*中間評価時に設定された指標については,中間評価時の値と比較主なもの