ブックタイトルナースのための微生物学 改訂6版

ページ
9/12

このページは ナースのための微生物学 改訂6版 の電子ブックに掲載されている9ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

ナースのための微生物学 改訂6版

の意)という.その他の部分はアミノ酸配列が免疫グロブリンごとにほぼ一定であり,C(constant)領域と呼ばれ,このうちY の軸にあたる部分をFcという(図3-2).a.モノクローナル抗体抗原はそれに対応する抗体をつくるB リンパ球を選択的に刺激して増殖させる.その結果,1 個のB リンパ球から出発した抗体産生細胞群は唯1 種類の抗体を作る.このような抗体をモノクローナル抗体と呼ぶ.しかし,抗体産生細胞は生体外では増殖しがたいので,抗体産生細胞と,抗体は作らないが無限に増殖しうる骨髄腫細胞と融合させて,抗体を作りしかも無限に増殖しうる両者の雑種細胞(ハイブリドーマ)を作製する方法が開発されている.このようにして産生されたモノクローナル抗体は感染症のみならず各種疾患の診断に利用されてきたが,最近では,がんや関節リウマチなどの一部の疾患の治療にも用いられている.b.各種免疫グロブリンの特徴ヒトの免疫グロブリンは,C 領域の構造の違いによりIgG,IgA,IgM,IgD,抗体によって担われる免疫現象● 23図3-2.抗体の基本構造と抗原,細胞,補体との反応部位図はIgGの場合で,他の免疫グロブリンは多少異なる.