ブックタイトル母乳育児支援講座 改訂2版

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概要

母乳育児支援講座 改訂2版

362おまけの&  退院~生後1ヵ月までの心配事1 吐乳おっぱいを飲んで,ゲップを出した後でも寝かせると吐きます.いつまで続くのでしょうか? 新生児~乳児期前半の胃袋はねじれていることが多く,これを軸捻転といいます.簡単にいえば2 つの袋があるようなものです.下の袋まで流れた母乳は食道のほうに戻りにくいのですが,上の袋にとどまっている母乳は体の姿勢を変えるだけでも胃から食道→口へと戻りやすいのです.胃―食道をつなぐ噴門部はまだ締まりが甘いため,胃内容物が口まで戻ってきやすいのです.生後半年くらいすると逆流は減ってきます.それまでの対策としては,ゲップが出た後も30 分くらい,たて抱きにするか,母親の腹部から胸の上に赤ちゃんを腹臥位にして抱っこしてもらうように勧めるとよいでしょう. 生後2 ~ 3週から吐くようになり,だんだん噴水のように勢いよく吐くようになる病気に「肥厚性幽門狭窄症」があります.胃から腸に出て行く出口がだんだんと狭くなるため,母乳や人工乳が十二指腸に流れにくくなっていきます.このために勢いよく吐いてしまうのです.この場合はたて抱きを長くしたり,腹臥位にしても嘔吐は改善しません.このような場合は,必ず小児科を受診するように伝えてください.2 便の色便が緑色ですが,大丈夫ですか? 母乳で育っている赤ちゃんは濃い黄色の便が多いのですが,ときどき緑色であることは珍しくありません.特に,排便後に時間が経過すると酸化されて緑色になります. 母乳育ちの赤ちゃんの便が緑色と相談されたら,授乳の様子を確認することも大切です.● 片方5 分ずつというような,短時間での乳房のきりかえ授乳をしていないか.● 授乳時間を短く制限していないか. このようなことがあると,児は乳糖の割合が高い「前乳」をたくさん飲んでいるため,緑色で多量の水様性の便を排泄します.また,腸内にガスがたまり,量を飲んでいる割に機嫌が悪く「コリック」といわれるような症状を呈するともいわれています. 人工乳を飲んでいる赤ちゃんでは,緑色の便を出すことが多いようです.