ブックタイトルナースができる!皮膚病変の見極め術(トリアージ)40

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概要

ナースができる!皮膚病変の見極め術(トリアージ)40

ix● 解答となる疾患について,3 ページで解説しています.● 箇条書きになっているので,スラスラ読み進めることができますが,下の6 つのポイントを意識しながら読むと,より理解が深まります.2.解説ページの読み方112は,最初から切除でもよい.● 生検で良性腫瘍であることが確定したら,経過観察するか,治療するか,治療するにしても切除するか,凍結療法など他の方法を使うか,患者と相談する.● 術前に,ダーモスコピーや超音波検査などの画像診断を補助的に行う.● 経過観察のデメリットは,今後さらに増大する可能性がある,ということである.■ 粉瘤は臨床像で診断がつけやすく,生検せずに切除することが多い.切除のタイミングは炎症のないときである.炎症をきたしたものを切除すると創が大きくなるので,保存的治療で炎症が収まるのを待って切除する.炎症が嵩こうじて膿が溜まれば,逆に切開して排膿する.ナースがやるべきことはコレ!● 生検・切除・切開の指示があれば,その準備を行う.● 経過観察の方針となった場合,炎症や出血,増大傾向があれば受診するよう説明する.● すでに滲出液や出血がある場合は,表面を清潔にし,ガーゼなどで保護する.(能登 舞)「臨床像で」というのは,顕微鏡によらず肉眼的に,という意味である.memo肉眼的に良性と思われる病変が多数あってすべてを生検?切除できない場合は,患者との相談で,生検を行わず対処することもある.memo図7 粉瘤の病理組織像図8 炎症性粉瘤123ケース31 熱 傷● 乳幼児や身体機能の落ちた高齢者の場合,同温の熱源でも回避行動が遅れ,長時間接触し続けることで,温度×時間の値が大きくなる.よって深い熱傷になる.ケース31 は,長時間熱したことで深くなっており,DDB と推測される.● 特殊な熱傷として,高圧電流による電撃傷(図3),落雷による雷撃傷,酸やアルカリなどの化学物質が皮膚や粘膜に付着することによって生じる化学熱傷(図4)がある .ドクターの思考を先読み受傷範囲と深さの評価● 受傷範囲は,9 の法則で概算する(図5).● Ⅱ度以上の熱傷が体表面積の15%以上に及ぶ中等度熱傷,湯たんぽ程度の温度でも一晩接触し続けていれば,深い熱傷になる.これを低温熱傷といい,上皮化まで長期間要し,瘢痕を残す.memoドクター,最初の一手!図2 Ⅲ度熱傷白色調の壊死組織がみられる.図3 電撃傷20, 000 V の高圧電流による.図1 II 度熱傷びまん性の紅斑中心に水疱を形成している.図4 化学熱傷フッ化水素酸による.は…ケース122熱 傷31● 火炎,高温の気体・液体・固体による組織障害を熱傷という.● 障害が及んだ深さにより,Ⅰ度(表皮),Ⅱ度(真皮),Ⅲ度(皮下組織)に分ける.● Ⅰ度熱傷では紅斑が主体であり,代表的疾患は日光皮膚炎(いわゆる「日焼け」)である.● Ⅱ度熱傷は水疱(図1),あるいはそれが破れた結果のびらん・潰瘍を形成する.● Ⅲ度熱傷では白色調(火炎の場合は黒色調)の壊死組織となり,知覚は消失する(図2).● Ⅱ度熱傷は, 真皮浅層熱傷(superficial dermal burn:SDB)と真皮深層熱傷(deep dermal burn:DDB)に分ける.● 熱傷の深さは温度と時間の掛け算で決まると考えてよい.● 熱湯で受傷した場合,高温といっても数十℃であり,健康な成人であれば一瞬で熱源から遠ざかり冷却もするため,温度×時間の値は比較的小さくなる.よって浅い熱傷になる.SDB は2 週間以内に瘢痕を残さず上皮化するが,DDB は上皮化まで2 週間以上を要し,瘢痕を残して治癒する.memo熱源との接触が一瞬なら,赤くなるだけ(Ⅰ度)か,水疱(Ⅱ度)ができてもSDB である.memo今すぐ!!高緊急度熱傷とは高温による組織障害,いわゆる「やけど」わかりやすくいうと…POINT1 ? 疾患の緊急度がわかる!解答の疾患名の隣には,緊急度が表示されています.緊急度は以下の3 段階にわかれており,どのタイミングで皮膚科医の診察を受けるべきなのか,ひと目でわかります.それぞれのアイコンは以下のような意味になっています.緊急度高:今すぐに皮膚科医の診察が必要!緊急度中: 翌日には皮膚科医の診察を受けましょう緊急度低: 数日後に皮膚科医の診察を受ければOK今すぐ!!高緊急度翌日!中緊急度数日後低緊急度P OINT5 ? 関連する疾患にも言及!文章の先頭が■のところは関連する疾患についての解説です.あわせて読むことで,より理解が深まるでしょう.P OINT4 ? アドバンスな知識にも対応!欄外のmemo には,+αな知識を記載しています. ここまで知っていれば,猫ドクターもたじたじのプラチナナースです!P OINT6 ? ケアのポイントがわかる!「ナースがやるべきことはコレ!」では,ナースが行うケアのポイントが解説されています.疾患ごとにどのようなケアを行うか,ケアのときに注意すべきことは何か,しっかり理解しておきましょう!P OINT2 ? 疾患について学べる!「○○とは」では,疾患の基礎知識を解説しています.黒板を見れば,それがどのような病気なのかが一言でわかります.P OINT3? ドクターが最初に行う検査や治療がわかる!「ドクターの思考を先読み!」では,ドクターがまず,どのような検査や治療を検討するかがわかります.ナースがドクターの動きを「先読み」することで,素早く処置に動くことができますね.