ブックタイトル臨床漢方小児科学

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概要

臨床漢方小児科学

漢方医学概説137代医療のなかに広く取り入れられている.また,これを用いた臨床的,基礎的研究も盛んになり,漢方薬の新たな薬効が明らかにされ,漢方薬の評価を高めた.b)服用時期 通常,漢方薬の服用は,1 日3 回,食前(食事の前30 分)あるいは食間(食事の後2 時間)とされている.漢方薬はいろいろな生薬を混合してつくられていて,この生薬は西洋薬に比べて胃腸に負担を与えることが少なく,また空腹の状態のほうが吸収されやすいからである.漢方薬に含まれる配糖体成分の代謝には,腸内細菌の助けが必要である.配糖体中の糖は腸内細菌の栄養分となるため,空腹時には,腸内細菌が自身の増殖のために配糖体を代謝する.しかし,食後服用では,摂取した食事が腸内細菌に対する栄養分となるため,漢方薬成分の配糖体の分解が促進されないことになる.場合によって,1 日1 ?2 回,あるいは食後に服用するよう指示することがある.これは,患者の病状(胃腸虚弱など),数種類の服用が必要な漢方薬の効果を高めることなどを考慮してのものである.服用の指示が食前となっていても,服用を忘れてしまうことはある.その場合は,食後に服用して構わない.c)服用方法 通常,100 mL前後の熱湯に溶かして,少し冷ましてから服用する.ぬるま湯では,なかなか溶けない.熱湯でもしばらくかき混ぜる必要がある.複数の漢方薬を一度に服用するように指示されている場合には,それらを一緒に湯に溶かしても差し支えない.このような方法が困難な場合は,普通の粉薬のように,ぬるま湯や水で,あるいはオブラートに包んで服用してもよい. 漢方薬の種類によっては,冷たい水で服用したほうがよいものがある.止血作用を期待して黄お う連れ ん解げ毒どく湯とうを服薬する場合,アトピー性皮膚炎で熱感が強く白びゃっ虎こ加か人にん参じ ん湯と うを服用する場合などがある.そのほか,嘔気を止める目的で小しょう半は ん夏げ加か茯ぶく苓りょう湯と うを用いる場合は,温湯として服用すると嘔気が増強するため,冷やして少量ずつ服薬する.咽頭の炎症が強く桔き 梗きょう湯とうを服薬する場合などは,積極的に冷たくして服薬することもある. 種類によっては,錠剤,カプセル剤も選択できる.2 煎じ薬a) 概要 土瓶などに1 日分の必要な生薬と水を入れ,数十分,とろ火で煮詰めて,約半量の水分に減じて,滓か すを濾して完成されるものである.人肌の温度で1 日2,3 回に分けて服用する.生薬は,昭和39 年(1964 年)に初めて薬価収載され,現在250 品目を超える生薬が保険で処方できる.しかし,漢方医学的な理解のもとに適切な生薬を処方することのできる医師や医療機関,薬局は少ない.b)具体的な煎じ方 ① 煎じる容器のなかに,1 日分の生薬と約600 mLの水を入れる.ティーバッグを用いる場合は,生薬が膨らむことを考慮して大きめのものを用いる. ② 加熱の強さは,最初からとろ火(10 分程でコトコト沸騰するような火加減,電熱器を用いる場合は600ワット)で,30?40 分程度煮詰めて約300 mLにする.液量が多い場合は,さらに煮詰める.少なすぎる場合は,滓に不足分の水を加えて2 ?3 分沸騰させてから煎じ液に加える. ③ 火を止めて,熱いうちに茶漉し,あるいはガーゼなどで滓を濾す. ④ 人肌程度の温かさで,1回分の量を服用する. ⑤ 残ったものは,冷蔵庫に保存して飲むときにレンジやガスで,あるいは熱いお湯を少し足して温める.24時間以内に服用する. ⑥ 煎じる前の煎じ薬も,必ず湿度が低く涼しい場所(冷蔵庫など)に保存する.c)服用方法 ①通常,漢方薬の服用は,1 日3 回,食前(食事の前30 分)あるいは食間(食事の後2 時間)とされている.漢方薬を構成する生薬は,西洋薬に比べて胃腸に負担を与えることが少なく,また空腹の状態のほうが吸