ブックタイトルシーン別わかる!漢方Q&A

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概要

シーン別わかる!漢方Q&A

では,忘れないように,ここで証を捉えるポイントとなった五臓と気・血・水のカテゴリーから,例を挙げて,適応する方剤を考えてみましょう(図1).まず心に異常を示し,それが血虚を呈するならば,心血虚を生じることになり,方剤としては酸さん棗そう仁にん湯とうや帰き脾ひ湯とうなどが用いられることになります.同じように脾に異常を示し,それが気虚を呈するならば, 脾気虚を生じることになり,啓けい脾ひ湯とうや六りっ君くん子し湯とうなどが用いられます.さらに,水滞であれば,脾痰飲となり,五ご苓れい散さん,茯ぶく苓りょう飲いんなどが用いられることになります.帰経により,五臓(p.100 参照)と気・血・水(p.104 参照)との関連性がわかるかと思います.また,虚実の面から各臓に対して帰経をもつ代表的な処方群を表1 に示します.図2 には啓脾湯の構成生薬から気・血・水と五臓に対する帰経のグラフを示しましたが,前述したように脾と気虚に対してデータ値が高いのがわかると思います.なお,効能のポイントを付記しておきます.それぞれの概念(五臓,帰経,19 気・血・水)の関連性は?肝心脾肺腎気虚脾気虚 啓脾湯,六君子湯心血虚 酸棗仁湯,帰脾湯脾痰飲 五苓散,茯苓飲気滞血虚血滞(?血)津虚水滞(痰飲)図1 五臓と気・血・水の関連性118