ブックタイトル症候別漢方治療論 冷え性

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症候別漢方治療論 冷え性

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症候別漢方治療論 冷え性

2第1 章 漢方治療入門西洋医学からみた冷え症冷え症とは? ? ? 冷えは自律神経失調により起こる愁訴の一つで,若年者から高齢者まで各世代で認められる.特に思春期,妊娠,出産,閉経の時期に発症することが多い.思春期,更年期前後で出現する冷えは内分泌環境の変化が大きな要因としてあげられるが,ほかの年代においては,全身的な機能低下,あるいは機能失調が原因であることが多い.特に,循環機能を含む自律神経反射の低下に起因することが特徴といえる.冷えの原因としては,自律神経失調による末梢循環不全が重要であるが,ストレス,不規則な生活習慣もあげられる.そのほか,貧血,低血圧,筋肉不足,皮下脂肪が多い,エストロゲン・プロゲステロンの低下,閉塞性動脈硬化症,Buerger 病,血栓性静脈炎,静脈瘤,甲状腺機能低下症,きつい下着・靴による血行障害,冷暖房機器による室内外の温度差が激しい環境での部屋の出入りなど,さまざまである.診断には,更年期症候群も考慮して,卵巣機能を評価することが大切である.そのほか血管運動神経症状に対しては,寒冷負荷指尖容積脈波,赤外線サーモグラフィー,血中カルシトニン遺伝子関連ペプチドの測定も有用である.冷え症の治療? ? ? 冷えの西洋医学的治療は,規則正しい生活習慣を確立することが基本となる.食事に関しては,バランスよく,身体を温める食品を積極的に摂ることが大切である.生活面では防寒対策も無視できない.きつい下着・靴を避けること,寝る前のストレッチ,マッサージ,腹式呼吸の実践も効果的である.そのほか,低温長時間入浴法,湯船に下半身のみつかる半身浴,熱いお湯と冷水を交互に浴びる温冷交代浴,薬草浴なども試してみるべき方法である.また,症候性の疾患の場合には,プロスタグランジン製剤などによる血管拡張,外科的療法なども考慮すべきである.1