ブックタイトル症候別漢方治療論 不眠症

概要

症候別漢方治療論 不眠症

19温経湯患者プロフィール?主訴：手にほてりがあり眠れない．?32 歳女性，会社員．?身長156 cm．体重48 kg．血圧121/78 mmHg．体温35.3℃．顔色普通．肺野清．心音正常．腹部平坦軟．手掌は乾燥して一部亀裂・発赤があり，肌荒れもひどい．口乾あり．血算・血液生化学所見異常なし．黄体形成ホルモン（LH）5.5 mIU/mL．卵胞刺激ホルモン（FSH）7.1 mIU/mL．エストラジオール（E2）43 pg/mL．?中学生のころから冬場は手荒れがひどくあかぎれをよく起こしていて，腹部が冷える．近医を受診すると冷え症と言われた．20 歳を過ぎてからは症状が軽快していたが，2 年前の人事異動などのストレスで手荒れが再発した.?最近，身体のほてりがあり，夕方になるとイライラが強くなる．うとうとと眠くなるが，2 ～ 3 時間ごとにぼんやりと目が覚める．まだ夜中だとわかると，再びすぐ眠れる．しかし朝はすっきりせず，ボーッとしている．月経不順で月経痛も強い．ここ3 日ほどは食欲が落ちてきて，手や足先が熱くなる．喉は渇いていないのに唇が乾くため，漢方治療を希望して受診した．西洋薬（対症療法） 疾病・症候温経湯構成生薬胃腸機能調整薬胃腸虚弱ビタミン製剤，カイロ疲れ，冷え人参，半夏，生姜，甘草風呂，カイロ冷え桂皮，生姜，呉茱萸ビタミンB12，血流改善薬，皮膚保湿剤手荒れ，あかぎれ当帰，川?，芍薬，牡丹皮皮膚保湿剤，ビタミン製剤（VA，VB5，VB6，VC，VH） 肌荒れ女性ホルモン薬（低用量ピル） 月経不順当帰，川?，芍薬，牡丹皮鎮痛薬月経痛経口補液脱水麦門冬，阿膠この患者さんに処方されうる西洋薬の集合として漢方薬をイメージしてみる