ブックタイトル症候別漢方治療論 不眠症

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症候別漢方治療論 不眠症

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症候別漢方治療論 不眠症

2第1 章 漢方治療入門西洋医学からみた不眠症不眠症とは? ? ? 不眠症は,平常時と比較して睡眠時間が短くなり,睡眠障害が少なくとも週2 日以上出現し,かつ1 ヵ月以上続き,日中に倦怠感,意欲低下,集中力低下,食欲低下などの身体的精神的不調が現れる,あるいは社会生活に支障が生じるもので,多くは心因性あるいは習慣性の非器質性不眠症である.不眠が続くと不眠恐怖が生じ,緊張や睡眠状態へのこだわりのために,さらに不眠が悪化するという悪循環に陥ることがある.不眠症において的確な分類はなされていない.「睡眠障害国際分類 第2 版」は,不眠症を適応障害性,精神生理性,逆説性,特発性など11 種類に分類している.一方,WHO による「疾病及び関連保健問題の国際統計分類第10 回修正」(ICD-10)では,器質性と非器質性に分類している.現時点では原因に基づく分類,すなわち,うつ病などの精神疾患,高血圧,動脈硬化,脳炎などの身体疾患,アルコールなどの薬物,その他の物質が原因となるもの(器質性)と,原因が明確でない原発性(非器質性),その他に騒音などの環境要因によるものに分類するのが妥当と思われる.また,不眠症は症状別に,①入眠障害,②中途覚醒,③早朝覚醒,④熟眠障害の4 種類に分類される.①入眠障害は寝つきが悪く,なかなか眠れず,入眠まで2 時間以上を要するものと定義される.②中途覚醒は入眠したあとに2 回以上途中で覚醒するものと定義され,中高年に多い.③早朝覚醒は本人の希望する起床時間より2 時間以上早く覚醒し,その後入眠できないものと定義される.④熟眠障害は十分に睡眠時間をとっていても,眠りが浅く,熟眠感が得られないものと定義される.原因としては,身体的要因physical,生理学的要因physiological,心理的要因psychological,精神医学的要因psychiatric,薬理学的要因pharmacologicalに分類可能である(表1).1