ブックタイトル1ランクアップをめざす!がん疼痛治療
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1ランクアップをめざす!がん疼痛治療
812. がん疼痛の薬物療法 A. 鎮痛薬の選び方・使い方●せん妄への対策(薬物療法)は? 夜間に落ち着きがなく不眠を訴える場合は,せん妄の始まりの可能性がある.ベンゾジアゼピン系薬剤の単独使用はせん妄を悪化させる可能性があるので,眠剤の増量などは考えず,むしろ減量または中止を考える. 治療の原則はモルヒネの減量(3~5割減)であるが,疼痛の出現のために困難な場合が多い.モルヒネの減量で痛みが出現する場合には,痛みの原因を探り,NSAIDs や鎮痛補助薬を適切に使うことでモルヒネを減量し,せん妄を抑えることが可能である.また,フェンタニルヘのローテーションが有効な場合もあるが,以下の薬物治療が必要になることも多い.●せん妄を発症している患者に接する上での注意点は?・患者の人格を認め,相手に合わせるように時間をかけて話を聴く.・恐怖と不安を和らげ誤認を減らすために,処置の内容に注意し,不用意な言葉を慎む.・家族または患者が心を許している知人の一人をそばに置く.・ 患者の家族に対しては気が狂ったのではないことを強調する.具体的には,以下のことを繰り返し説明する.【患者の家族への説明】「 今は寝言を言っている状態ですから,変なことを言っても否定しないで,受け入れてあげてください」「 異常行動には愛護して対応してください.例えば,起き上がろうとしたなら,起き上がれるように援助し,決して押さえ込まないようにしてください」「 今の症状は2~3日の間に消失します.また意識が正常になったときには,現在のことをほとんど覚えていないものです」「しかしこの状態でも聴力は鋭いですから,うかつなことを言わないでください」7)モルヒネの副作用としての?痒感●?痒感はどのような場合に生じるか? ?痒感はくも膜下,硬膜外オピオイド投与の大多数や,静脈内,筋肉内オピオイド投与においてしばしば認められるが,経口投与ではまれである. ?痒感には耐性が生じるため,ほとんどの場合,数日中に軽減する.せん妄に対する薬物療法・ハロペリドール(セレネースR) 1回0.75 ~1 mg 就寝前 経口 3~6mg まで増量し,維持 内服困難な場合は注射薬:5~ 30 mg/ 日 持続皮下注入または持続点滴 緊急時は1回5mg 1日1~2回 筋注・静注・フマル酸クエチアピン(セロクエルR) 1回25 mg(1日25 mg)1日1回 就寝前 経口 必要に応じて1日2~3回に増量・リスペリドン(リスパダールR) 1回1 mg(1日1mg)1日1回 就寝前 経口 徐々に増量し,維持量は通常6~ 12 mg/ 日(最大12 mg) 分2