ブックタイトル1ランクアップをめざす!がん疼痛治療

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1ランクアップをめざす!がん疼痛治療

732. がん疼痛の薬物療法 A. 鎮痛薬の選び方・使い方●モルヒネを長期間使用した後に便秘・嘔気・眠気は生じるか? モルヒネのほとんどの副作用はモルヒネ投与開始直後から現れる.このため長期投与した後に副作用と思われる症状が現れたら,モルヒネ以外の原因(特に高カルシウム血症)を考えるべきである(ただし,腎機能障害などによる血中濃度の上昇を除く).●モルヒネの各臓器に対する影響は? モルヒネは心血管系に対する作用が非常に少なく,肝毒性や腎毒性がない.●副作用が出た場合のオピオイドローテーションの注意点は? 副作用を回避するためのオピオイドローテーションは最後の手段にすべきである.まずは十分な副作用対策を行う必要がある.●呼吸抑制はどのようなときに起きるのか? マニュアルに沿った使い方(特に経口投与)では呼吸抑制はほとんど生じない.ワンショットの注射などを行うと起きる危険性が高い.「モルヒネの副作用としての呼吸抑制(過量投与)」(p.79?80)参照.●副作用が出やすい状態の患者とは? 以下の状態の患者はモルヒネの副作用が出やすいため,モルヒネは少量から開始する. ① 腎機能障害または肝機能障害のある患者 ② 高カルシウム血症のある患者 ③ 何らかの感染症を併発している患者 ④ 化学療法,放射線療法の施行中,施行後の患者 ⑤ イレウスのある患者 ⑥ 頭蓋内圧亢進のある患者 ⑦ 高齢者 ⑧ 電解質異常のみられる患者アンペック?坐剤20 mg/日は経口モルヒネ30~ 40 mg/日に相当する.また,最高血中濃度が高いため,モルヒネの初回投与に使用すると過量投与になる可能性がある.血漿中濃度アンペックR坐剤20 mg×3回/日1 2 3 4 5 時間オプソ10 mg×6回/日MS コンチンR錠30 mg×2回/日カディアンR60 mg×1回/日(4~12 時間の緩やかなピーク)図Ⅰ-2A(3)-9 モルヒネ製剤における血漿中濃度のパターン