ブックタイトル1ランクアップをめざす!がん疼痛治療
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1ランクアップをめざす!がん疼痛治療
592. がん疼痛の薬物療法 A. 鎮痛薬の選び方・使い方使用する際の注意点・高齢者や全身状態のあまり良くない患者では,リン酸コデインの初回量を80 mg/ 日とする.薬物動態鎮痛効果発現時間最高血中濃度到達時間半減期リン酸コデイン30 分1時間3.5 時間・ リン酸コデインは約10 %がチトクロームP(CYP)450 のCYP2D6 によりモルヒネとなり,鎮痛効果をもたらす.白人の約3.2 ?10 %,日本人の約0.7 %はCYP2D6 活性が低く,モルヒネがほとんど生成されないため,リン酸コデインの鎮痛効果は発揮されにくい.副作用・ 便秘,嘔気,眠気など,基本的にはモルヒネ使用時と同様の副作用が出現する.しかし,その発現頻度はモルヒネに比較して低いとされる.・副作用対策はモルヒネと同様である〔モルヒネの項「副作用」(p.72)参照〕.行うべき服薬指導1)初回指導時「 モルヒネと同じ種類に分類される痛み止めですが,市販の咳止めなどにも使われる安全な薬です」「人によって,痛みが止まる量が違います.このため,ちょうどよい量まで増やします」「胃を荒らす副作用はありません」「副作用としては,便秘が出やすいので,早めに緩下薬を飲んでください」2)効果不十分でモルヒネへ変更する場合「 リン酸コデインも実は体内でモルヒネに変わって効果を発揮します.このためモルヒネは“リン酸コデインを強くした薬”といえます」「モルヒネもリン酸コデイン同様,使い続けても麻薬中毒になることはありません」リン酸コデインはどうしてもモルヒネを拒む患者に使用する WHO 方式がん疼痛治療法における第二段階使用薬として有名なリン酸コデインだが,最終的にモルヒネへ移行する患者が多いこと,がん疼痛治療薬としてモルヒネが一般の市民に認知されてきたこと,そしてモルヒネ以外のオピオイドとしてオキシコドンが発売されたことなどがあり,わが国においてその臨床的意義が薄れてきた.本剤は鎮痛薬としては「どうしてもモルヒネを拒む患者」に対してのみ使うと考えたほうがよい.SideMemo