ブックタイトル臨床で活かす がん患者のアピアランスケア

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概要

臨床で活かす がん患者のアピアランスケア

236具体的な関わり□□ 抱える問題や気がかりの明確化退院後,外来で継続的に心理支援と生活に関する相談に応じていた.職場復帰の6 カ月前の面談時,部分的に髪が生えないことに対する不安を表出して流涙しており,職場復帰において脱毛が気がかりだと話していた.日常生活は,脱毛をあまり気にせずに過ごすことができているため,職場復帰に向けて具体的にどのような点が心配であるのか確認した.活動量が多い仕事で,激しく動いたり,子どもが髪をひっぱったりする際にウィッグが外れることへの不安,プールに入っての指導が具体的な気がかりであった.また,頭頂部以外は毛量が十分あるため,部分5 職場で特別な配慮や説明が必要となった事例 患者  E さん(30 歳代,女性) 職業  小学校教諭(休職中) 疾患  頭頂部軟部肉腫 治療  腫瘍摘出術を行い,頭頂部に放射線照射を実施(40 Gy/20 fr)した.その後術後補助化学療法を計12 コース実施した. 抱えていた症状・困難 治療によりCTCAE v4.0 Grade2 の脱毛を生じ,その後,髪は生えてきていたが,放射線照射をした頭頂部のみ髪の発育が不良であるため,ウィッグを着用していた.治療終了後,2 年後の職場復帰を目指していたが,活動量が多く,子どもの予測できない行動によりウィッグが外れることへ不安を抱えていた.