ブックタイトル臨床で活かす がん患者のアピアランスケア

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概要

臨床で活かす がん患者のアピアランスケア

105い水疱形成をきたすのが特徴である.慢性化すると色素沈着を伴い,乾燥から鱗屑や亀裂を生じる場合がある.掌蹠は特に知覚が発達しており,いったん症状が現れると日常生活で制限が生じたり,歩行障害を伴ったりすることがある.このように手足症候群は,患者のQOL を著しく低下させるが,確立した治療法はない 5).図1 レゴラフェニブによる手足症候群70 代男性.転移性結腸がんに対して,レゴラフェニブ内服を開始した.10 日後,両足底部に水疱が出現し始めた.著しい疼痛を伴い,水疱は乳白色に透見される.皮疹は荷重部に特徴的に現れ,中央部は黄褐色を帯びる.表皮の乾燥や壊死が懸念される.図2 カペシタビンによる手足症候群60 代女性.転移性乳がんをカペシタビンで加療中.足底部および趾腹部に発赤・腫脹があり,光沢や乾燥,鱗屑を伴う.病変は荷重部にとどまらず,比較的全体に及ぶ.2.皮膚症状