ブックタイトル臨床で活かす がん患者のアピアランスケア

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概要

臨床で活かす がん患者のアピアランスケア

287品は単なる見本であり,自分で自由に選んでよいことを明確にする.医療者側に必要なものを選んでほしいと希望する患者もいるが,アピアランスケアに使用する物品に関しては,エビデンスを持つレベルでの優劣はほとんどない.したがって,好みで選んでよいものであり,患者の主体性を尊重するためにも,医療者側が製品を決めつけないよう留意したい.□□ 予 算ウィッグ以外の化粧品などの準備であれば,はじめは年間2~3 万円あれば十分である.化粧品は定期的に入れ替えなければならない消耗品であることをふまえ,予算を組んでおく.□□ ウィッグの準備物品を準備する際に最もコストがかかるのがウィッグである.ウィッグを展示する際には,ウィッグをディスプレイするマネキンやウィッグ台,試着用のネットやウィッグ用のブラシ,顔周りが確認できるサイズの鏡,全身のバランスを見る鏡も併せて準備する.なお,実際にはウィッグを使って何をどのように説明するか,院内で提供する支援の内容や方法によって必要な準備は異なる.◆◆ ウィッグの個数国立がん研究センター中央病院アピアランス支援センター(以下,当センター)では,センターの趣旨に賛同したウィッグメーカーから社会貢献の一環として無償でレンタルさせてもらい,メーカーがタグを外して約60 個を展示しているが,これは病院内外に対するアピアランスケアに関心を持ってもらうためのデモンストレーション的な意味が大きく,これほどの数を準備する必要はない.また,医療者が患者の希望や好みに合わせて購入すべきウィッグを「選んであげる」必要は全くない.行うべきことは,患者が自分でウィッグを選択するための知識を提供することである.そのように考えれば,大量のウィッグがなくても十分アピアランスケアができるだろう.ウィッグの構造や被り方の説明に使えるものが複数個準備されていればよい.最低限用意するのであれば,図1 のように4 個程度あればよいだろう.3.アピアランスケアに必要な準備