ブックタイトル臨床で活かす がん患者のアピアランスケア

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概要

臨床で活かす がん患者のアピアランスケア

286アピアランスケアを行う場所実際のケアの提供場所が外来や病棟中心であれば,必要な物品をかごに入れて手軽に移動できる方がよいが,専用の相談スペースを設けるのであれば,その場所の準備も必要となる.常設あるいは定期の相談スペースを設けることは,病院内外にアピアランスケアの実践を知らせることができ,相談しやすい環境を作ることができる.個室あるいはパーテーションで区切られたスペースも併設できれば,他者に外見の変化を見られたくないという患者の気持ちに配慮しつつ相談を受けられる.最近では,「アピアランス支援センター」を立ち上げる施設もあるが,専用スペースがなくても,腫瘍内科の病棟や通院治療センター,相談支援センター,患者サポートセンターなどの一角でも相談は行える.必要な物品□□ 物品の選択単なるショップや製品見本を置いているだけの業者代行のコーナーを病院が作る必要はない.自施設で行う支援の内容に合わせ,必要な物品を選択する.国立がん研究センター中央病院の場合,人工乳房の見本や患者用の水着,下着などはアピアランス支援センターにあるが,弾性ストッキングや補正下着についてはボディイメージ講座で扱っている.1カ所に集約させるのではなく,必要な場所に分けて準備するのもよいだろう.物品を準備する際には,医療者側は,単に見本として準備しているつもりでも,患者側は「病院においてある」=「病院が推奨している」=「優れた製品,使うべき製品」と思いやすい.理由があって展示している製品についてはその旨を明らかにすればよいが,そうでない場合は,展示アピアランスケアに必要な準備3