ブックタイトルがん患者の輸液・栄養療法

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概要

がん患者の輸液・栄養療法

がんの部位30%栄養摂取量20%体重減少30%化学療法10%手 術6%病脳期間3%がんの病期1%表1-2 放射線治療を受ける患者の QOL function score 決定因子なしあり22.520.517.515.012.50P<0.02(mg/kg)図1-3 5-FU/ ロイコボリン療法における有害事象の有無と除脂肪体重あたりの5-FU 投与量(文献8)より引用)6050403020100用量制限毒性の出現頻度身体組成のタイプサルコペニア非サルコペニア(%)図1-4 カペシタビン療法における用量制限毒性の出現とサルコペニアとの関係(文献9)より引用)2 がん患者への栄養療法・輸液療法の必要性がん化学療法の有害事象と栄養状態5-FUの毒性は除脂肪体重量と相関することが報告されている.Pradoら8)は,Mayo regimenによる術後補助化学療法を施行した大腸がん患者を対象とした検討を行った.その結果,有害事象を認めた群では除脂肪体重あたりの5-FU投与量が有意に多かった(図1-3)8).さらにPradoら9)は,他剤に耐性となりカペシタビンを投与した転移を有する乳がん症例を対象とした検討を行った.それによると,サルコペニアと判定された症例では,そうでない症例と比較して用量を制限する毒性の発生頻度が2.5倍であった(図1-4)9).Aslani ら10)は,体内の窒素量が少ないと乳がんに対するCMF(シクロホスファミド/メトトレキサート/5-FU)療法による好中球減少症の発生頻度が格段に高まることを報告した.これらの現象は,筋肉量が抗がん薬の薬理作用や薬物の分布に影響を及ぼしているためと考えられる11).17