ブックタイトルがん患者の輸液・栄養療法

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概要

がん患者の輸液・栄養療法

(%)体重減少を認める患者0-20-40-60-80大腸がん前立腺がん非小細胞肺がん小細胞肺がん膵がん測定不能胃がん測定可能胃がん14%26%18%28%20%23%21%18%28%29%32%21%29%20%14%10% 14%15%26% 30% 35%図1-1 各種のがん症例に認められる体重減少の割合(文献5)より引用)***QOLスコア0755025食道がん胃がん膵がん大腸がん体重減少あり体重減少なし図1-2 消化器がん症例における体重減少の有無とQOLスコアの関係* P <0.01 各がん内での比較,P <0.0001 すべての症例を合わせての比較(文献6)より引用)医療行為の経済学的価値を評価する方法のなかで,医療行為でもたらされる不利益を勘案したものが費用便益分析(cost-utility analysis)である.医療行為の場合の便益(utility)は,効果(effectiveness)にQOLを乗じることで求められる.がん医療の場合,効果は治療による延命期間であろう. したがって治療によるQOL が低ければ,医療行為の価値はそれだけ低下する.治療後のQOLがきわめて低く,上のせされた生存期間以外にも悪影響が及べば,その治療行為に価値があったか疑わしくなる.治療後のQOLと医療行為の価値16