ブックタイトル乳癌アプリケーションノート

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概要

乳癌アプリケーションノート

100第Ⅱ章 Primary Breast Cancer● BRCA1 / 2 遺伝子検査陽性例に対する予防的介入として,サーベイランスによる早期発見,早期治療だけでなく,欧米では予防的卵巣卵管切除術〔またはリスク軽減卵巣卵管摘出術risk reducing salping─oophorectomy(RRSO)〕あるいは予防的乳房切除術〔またはリスク軽減乳房切除術risk reducing mastectomy(RRM)〕等の予防的手術が日常診療として実施されている.●遺伝子検査前に行われる遺伝カウンセリングで,もし遺伝子検査の結果が陽性であった場合に考えられる対策と選択肢について十分に説明し,クライエントが自身にとって最適と考えられるような方法を選べる配慮が必要である.●遺伝子検査の結果を聞いたクライエントが予防的手術を受けるうえで,家族歴の有無は重要な動機となることが報告されている(表Ⅱ- 9) 1).●各種の予防的介入により期待されるリスク低減効果を表Ⅱ - 10 に示す.1) Metcalfe KA, et al:Clin Genet, 73(5):474─479,2008.4 BRCA1/ 2 遺伝子検査陽性例に対する予防的介入表Ⅱ- 9 予防的手術を受けたクライエントの背景調査変数多変量解析*予防的乳房切除術OR(95%信頼区間) p 値同胞の乳癌罹患歴 ありなし2.36( 1.35 ?4.12)1p = 0. 003母親の卵巣癌罹患なしあり10. 40(0. 20 ?0. 82) p = 0. 01変数予防的卵巣切除術OR( 95%信頼区間) p 値母親あるいは同胞の卵巣癌罹患なしあり11. 63(1. 03 ?2. 59) p = 0. 04 BRCA1 遺伝子変異 BRCA2 遺伝子変異陽性陽性10. 49 p = 0. 0004*:出生日とBRCA1 あるいはBRCA2 変異の有無により調整.