ブックタイトル地域とつながる 高齢者救急実践ガイド

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概要

地域とつながる 高齢者救急実践ガイド

  263第Ⅰ章 高齢者救急の基礎知識8 End-of-Life Care1 End-of-Life Care概論POINT▲治療法や手技を学ぶ以上に,人生の最終解答である「死」を学ぶことが大切である.▲「患者の意思」をもっとも尊重する.▲患者,家族および医療チーム全員が納得できる「治療計画」を目指す.人生の最終解答としての死現在の医療では,「説明と同意」はきわめて重要とされている.医師は病状や治療について具体的な例を挙げ,1.内容,2.方法,3.必要性,4.危険性・合併症,5.ほかの方法の有無,6.同意の自由等について詳細に説明しなければならない.一方,患者と家族には考える十分な時間と質問の機会が与られ,理解し同意すれば,患者及び家族(保護者,親権者を含む)が同意書に署名し,治療が開始される.説明の内容には「死亡率」や「合併症発生率」も含まれており,計画している治療が必ずしもうまくいくとはかぎらないこともしっかりと説明しなければならないとされている.疾病の死亡率は,良性,悪性,進行性,急性,慢性疾患等さまざまであり,また同じ疾病であっても患者の状態によって異なる.したがって,患者や家族は言うまでもなく,医師ですら正しい判断をすることは不可能である.唯一,確実なことと言えば,人生の最終解答は「死ぬこと」である.どのような経過をたどるかは別として,人は必ず死のときを迎える.しか