ブックタイトル地域とつながる 高齢者救急実践ガイド

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地域とつながる 高齢者救急実践ガイド

248第Ⅰ章 高齢者救急の基礎知識3 介護保険・訪問看護のしくみPOINT▲介護保険サービスを受けるには要介護認定を受ける.▲要介護認定の申請には,主治医意見書が必要である.▲訪問看護は,医師の訪問看護指示書に基づいて行われる.入院前は介護などのサービスを受けてこなかった高齢者でも,疾患や入院中のADLの低下などによって,退院後には介護や訪問看護などのサービスが必要となることも多い.地域包括ケアシステムにおいて高齢患者を地域に戻していくために,これからは急性期病院に勤務する医師もこれらのサービスについて熟知しておく必要がある.そこで本稿では,介護保険や訪問看護の制度の基本的なしくみについて解説する.介護保険介護保険とは介護保険制度は2000年4月に創設された制度である.40歳以上を対象(被保険者)とし,寝たきりや認知症などで常に介護が必要な状態(要介護状態)になったり,日常生活に支援が必要で,特に介護予防サービスが効果的な状態(要支援状態)になった場合に,介護サービスを受けるために,利用されている制度である.● 介護保険の対象介護保険の被保険者は,年齢によって第1号被保険者(65歳以上)と第2号被保険者(40?64歳の医療保険加入者)に分けられており,給付・サービスを受ける条件や,保険料の算定・納付方法が異なっている.第1号被保険者の保険料は,居住地の市町村から徴収され,原則的には年金から天引き(月額15, 000円以上の公的年金受給者の場合.15, 000円未満の受給者は個別徴収)される.第1 号被保険者では,介護保険サービスは要支援・要介護状態になった場合には,原因を問わず利用することができる.第2 号被保険者の保険料は,医療保険料と一括徴収されている.第2 号被保険者が介護保険サービスを利用できるのは,加齢に伴って生ずる心身の変化に