ブックタイトル動きながら考える!内科救急診療のロジック

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動きながら考える!内科救急診療のロジック

2117 「呼吸困難」 Part 2すすむ先生 僕は,まだまだだと反省です.判断が軽率でした.みちお先生 いえいえ,この症例はとても難しい症例です.救命できて本当によかったです.おふたりが一生懸命考えて動いてくれたからこその結果ですよ.これからもこのERでの勤務は続きますが,この調子で経験を積んで成長していきましょう.そして,こうして得た先生たちの知識や経験を,これからやってくる後輩たちに惜しまず教えてあげていってくださいね.実は,それが先生たちのさらなる成長につながりますから.はじめ先生, すすむ先生 はい! もちろんです!# 1. S状結腸軸捻転(循環血漿量減少による血圧低下,嘔吐,代謝性アルカローシス,coffeebean sign)# 2. 高マグネシウム血症(意識障害,徐脈,血圧低下〔もしくはその増悪〕,呼吸性アシドーシス,胸郭運動の低下)# 3. 誤嚥に伴う非心原性肺水腫(低酸素血症,両肺のcoarse crackles,胸部X線のbutterflyshadow)・ 当院への受診歴はなかったが,Preparationとしてさまざまな情報収集の手段を検討し,来院前の段階でできる限り情報量を増やした状態で診療を開始した.・ Primary surveyでバイタルサインに影響する優先順位の高いプロブレムを早期に拾いあげ,それぞれに対し適切な評価と状態を安定化させる対症療法を遅らせなかった.・ 鑑別診断は網羅的にあげるのではなく,3C(common,curable,critical)を満たし,「目の前の患者の状況」に即した疾患に限定し列挙した.・ プロブレムをGroupingすることで,絡み合う複雑な病態を適切に把握することができた.本症例のpH:7.35,PaCO2:58.4mmHg,HCO3-:32.3mEq/L,Na+:135mEq/L,K+:3.3mEq/L,Cl-:92mEq/L,Lactate:9.2mg/dL【 1 】 pHをみて,アシデミアかアルカレミアか判断する・ pH = 7.35<7.40であるのでアシデミア.本症例の血液ガス解釈