ブックタイトル聴覚検査の実際 改訂4版

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概要

聴覚検査の実際 改訂4版

58第Ⅱ部 聴覚検査の実際・実効レベル:個々の耳に対して有効なノイズレベルをいう. (実効マスキングレベル)?(その耳の気導聴力レベル)で求められる.・ 実効マスキングレベル:ちょうどその強さの純音をマスキングするレベルで,オージオメータの目盛に合わせてある.2)マスキングとは何か 聴力検査は左右別々に検査する.この際陥りやすい誤謬は検耳から検査して得られた結果が検耳のものと思い込むことである.これは気導聴力検査,骨導聴力検査の何れにおいても起こりうる.検耳に大きな音を提示した場合,音は頭蓋内を通って減衰する(両耳間移行減衰)が,両耳間移行減衰量を差し引いて非検耳の内耳に到達した音が,非検耳の内耳の聴力(骨導聴力)より大きいと非検耳の内耳で聞いてしまうことがある(陰影聴取).その場合,検耳と反対側で聞いていることになる.骨導検査に至っては,両耳間移行減衰量を0 dB とすると,提示音がそのままの大きさで非検耳の内耳に到達する.そこで,これを防ぐために検耳から提示した音が非検耳の内耳で聞かないようにブロックすること,これをマスキングという.通常,マスキングノイズは非検耳の気導から呈示される.-20 125 250 500 1000 2000 4000 8000-100102030405060708090100110120周 波 数(Hz)↓↓↓↓↓↓↓不良耳の誤った気導値不良耳の真の気導値聴 力 レ ベ ル(dB)図Ⅱ - 1 - 7 気導音のcross hearing良耳の骨導聴力レベルと平行した誤った気導聴力レベルが得られている点に注意.-20 125 250 500 1000 2000 4000 8000-100102030405060708090100110120周 波 数(Hz)↓↓↓↓↓>>>>>誤った骨導値真の骨導値聴 力 レ ベ ル(dB)図Ⅱ - 1 - 8 骨導音のcross hearing表Ⅱ - 1 - 2 気導受話器の両耳間移行減衰量Ⅱ- 3)周 波 数(Hz) 125 250 500 1000 2000 4000 8000両耳間移行減衰量(dB) 50 55 60 60 60 60 60表Ⅱ - 1 - 3 骨導受話器(乳突部装着時)の両耳間移行減衰量Ⅱ- 3)周 波 数(Hz) 250 500 1000 2000 4000 8000両耳間移行減衰量(dB) 0 5 5 10 10 10