ブックタイトル聴覚検査の実際 改訂4版

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概要

聴覚検査の実際 改訂4版

12第Ⅰ部 聴覚検査の予備知識 内耳から聴神経を経て大脳の聴覚中枢に達する経路のいずれかに障害のある場合を,感音難聴という.この場合のオージオグラムの特徴は,気導と骨導は同程度に障害されて気導骨導差がないことにある(図Ⅰ- 2 - 3). 伝音器と感音器の両方が障害された場合は,混合性難聴と呼ばれ,オージオグラム上は各々の障害が加わった形となる.すなわち図Ⅰ- 2 - 4 のごとく,骨導聴力は感音障害の分の閾値が上昇し,この値から伝音難聴の分だけの気導聴力閾値が上昇し,気導骨導差を示す. 一般に伝音器だけの障害で起こる気導閾値上昇の程度は約60 dB までで,これ以上の聴力低下を示す例では,感音系の障害の存在が疑われる.伝音系の障害だけであれば,障害はそれほど大きいものではなく,骨導聴力は正常であるので,患者自身の声は骨導を経て患者によく聞こえる.-20 125 250 500 1000 2000 4000 8000-100102030405060708090100110120聴 力 レ ベ ル周 波 数(Hz)(dB)右気導, 右骨導図Ⅰ - 2 - 3 感音難聴の例(右耳)-20 125 250 500 1000 2000 4000 8000-100102030405060708090100110120聴 力 レ ベ ル周 波 数(Hz)(dB)気導骨導差右気導, 右骨導↑↓図Ⅰ - 2 - 2 伝音難聴の例(右耳)-20 125 250 500 1000 2000 4000 8000-100102030405060708090100110120聴 力 レ ベ ル周 波 数(Hz)(dB)気導骨導差左気導, 左骨導↑↓図Ⅰ - 2 - 4 混合性難聴の例(左耳)