TEXT眼科学 改訂3版 page 2/12
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概要:
直径22~24 mm 程度でほぼ球形をしている.眼球と視中枢の間を視神経が連絡している.眼球は外側より外膜(角膜,強膜で構成される),中膜(虹彩,毛様体,脈絡膜から構成され,すべてを合わせてぶどう膜と呼ばれ....
直径22~24 mm 程度でほぼ球形をしている.眼球と視中枢の間を視神経が連絡している.眼球は外側より外膜(角膜,強膜で構成される),中膜(虹彩,毛様体,脈絡膜から構成され,すべてを合わせてぶどう膜と呼ばれる),内膜(網膜)および,眼球内容物として房水,硝子体,水晶体,Zチンinn 小帯からなる(図1?1). 強膜とともに外膜を構成している.角膜は無血管で透明であるのに対して,強膜は血管が豊富で白色を呈する.角膜と強膜の境界部分は輪部limbus と呼ばれる.角膜の役割は,強靱な膜として眼球を保護することと,レンズとして光を屈折させることである.とくに角膜は眼球の全屈折力(約60 ジオプトリー)の2/3 である40 ジオプトリーを担当するという点で,眼球のなかで最も重要なレンズとして作用しているといえる.成人では横11~12 mm,縦10~11 mm,角膜厚は中央部で0.5 mm,周辺部で0.9 mm である. 組織学的には,上皮層,Bボウマンowman 膜,実質層,Dデスメescemet 膜,内皮層という5 層よりなる. ① 上皮層:角膜全体の約10%の厚みを占める.表層より表層細胞,翼細胞,基底細胞よりなる.角膜上皮は約1 週間で常に入れ替わっている.基底細胞とBowman 層の間には角膜上皮の基底膜が存在する. ② Bowman 膜:角膜上皮層と実質層の間に存在する無構造の膜である.外傷により障害されると再生されない. ③ 実質層:角膜全体の約90%の厚みを占める.角膜表面に平行に分布する薄葉lamella 構造の積み重ねと,薄葉間に散在する角膜実質細胞からなる. ④ Descemet 膜:角膜内皮細胞の基底膜であ重要事項 眼科の診療では,細隙灯顕微鏡という生体顕微鏡を用いて細胞レベルでの観察が必須となる.よって,肉眼的な解剖だけではなく,詳細な組織構造の理解が必須となる.さらに各々の組織の働きを知ることにより,視覚系の生理を知ることができる. 視覚器は,眼球・眼球付属器・視神経および視中枢より構成される. 臨床的には外眼部(眼瞼),前眼部(角膜,結膜),中間透光体(前房,水晶体,硝子体),眼底(網膜)という分け方がされることがある.1 眼 球eyeball1.角 膜cornea(図1?2)第1章視覚系の構造