ブックタイトルうろなび 泌尿器疾患診療ナビ

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453Chapter 検査データ異常から考える表3-A-1 腎炎の臨床分類の簡単な概念分 類概 念頻 度*AGN(急性腎炎症候群)?上気道,消化管感染症の後,血尿,高血圧,浮腫を3 主徴として発症→ポイント:病歴聴取で予想可.尿が肉眼的に「曇っている(=smoky urine)」ならほぼ確定1%RPGN(急速進行性腎炎症候群)?血尿・蛋白尿に加え多彩な全身症状を呈す?無治療の場合,数週間から数カ月の経過で末期腎不全に陥る→ポイント:発熱や関節痛などを伴うことが多い.重症感あり.場合により血清Cr 値を再検,上昇を認めればほぼ確定1%NS(ネフローゼ症候群)?高度蛋白尿,低蛋白血症,浮腫や脂質異常症を呈す→ポイント:血清アルブミン濃度などを教科書的な定義に当てはめなくてもよい.尿蛋白排泄量がかなり多く,血清アルブミン値が基準値未満ならほぼ確定3%CGN(慢性腎炎症候群)?上記以外の腎炎をすべてこれとみなす95%* プライマリケアの場におけるこれらの頻度を検討した報告はまだないため,参考までに筆者の経験および主観に基づく値を示す.数字をみてわかるとおり,ほとんどがCGN の範疇に入ると理解していただければよい.本来はさらに,無症候性血尿・蛋白尿を加えて5 つの臨床分類となるのだが,CGN との区別は腎組織診断を行わない限り不可能なのでプライマリケア医が判断するのは困難である.したがってこれら2 つは区別せずにひとまずCGN に分類しておく.(松木孝和,横井 徹:Scene.田坂佳千 監修,症状からみるcommon disease 血尿.p.23-26,2007 より)? 顕微鏡的血尿では悪性腫瘍を除外する顕微鏡的血尿を認める患者は大変多く,どこまで介入するかはかなり難しい問題である.ほとa. 赤血球 非糸球体性c. 赤血球 糸球体性図3-A-2 血尿の尿沈渣所見b. 赤血球 非染色