ブックタイトルこれからはじめる周産期メンタルヘルス

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概要

これからはじめる周産期メンタルヘルス

53情報と知識Ⅳ.周産期メンタルヘルスにおける連携かし乳児健診はあくまでも子どもの健診であることから,母親が小児科医に自分の体調不良を訴えたとしても通常は診てもらえることはなく,あまりに調子が悪いようであれば元の産科かメンタルが主たる症状であれば精神科を受診するように促されることとなります.精神科を仮に受診したとしても,この時期だと授乳と薬剤服用との問題が起こってきます.精神科からは症状に合わせて睡眠薬や安定剤,抗うつ薬などの処方が行われがちですが,これらの多くは授乳を止める必要が出てくると説明されてしまいます.母親としてはできれば服薬せずに授乳は続けたいと思う人が多いため,服薬されないことがしばしば起こってしまうのです.誰が,何を? このように,単独で周産期メンタルヘルスの問題に対応して,解決することが難しいことから,関係するさまざまな機関や職種が情報を共有して連携をもちながら,問題を抱えている母親にとって一番いい方法をとることが必要となります.そして産後に初めて連携を取るのではなく,可能であれば妊娠初期からハイリスクの方を連携チームの中で共有していき,妊娠中から出産,産後すぐまでは産科で主に対応していくことになるでしょう.最近は,出産後に退院してから産後1ヶ月健診までの間,例えば産後2週間頃にフォローしていくことも行われています.さらに,1ヵ月健診から乳児健診まで2ヵ月ほど間があいてしまうため,ハイリスクの方たちは,産後1ヵ月健診のあとも定期的にフォローしていくようなシステムの構築も必要になっていくと思われます. 連携チームにはどのような職種が関わることになるのでしょうか.妊婦さんや母親