ブックタイトルこれからはじめる周産期メンタルヘルス

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概要

これからはじめる周産期メンタルヘルス

32 死んでしまいたい(希死念虜)という気持ちがあったり,心理療法などで症状の改善が見られなかったりするようなケースでは,薬物療法を適切に行って治療をしていく必要もあります. 治療は,単に医師と患者と2人で行うだけではありません.パートナーをはじめとして,家族や地域の人たちの協力も不可欠です.まず,パートナーや家族が「産後うつ病」という病気をきちんと理解して,本人と一緒になって治療に向きあっていかなければなりません.また,地域の保健師や出産した病院の助産師との連携も治療を継続していく上でとても重要なことです. 最近では,出産後に子どもと一緒に滞在できる産後ケアハウスの役割も大きくなってきました.日中だけ食事を含め赤ちゃんと母親とが一緒に滞在して,夜は自宅に戻って就眠するデイケアタイプのものや,夜もそのまま宿泊する宿泊型のものなど,さまざまな形で母親をサポートすることができます.さまざまなサポートの形 生まれたての赤ちゃんの育児は,母親にとってはとても大きな仕事となります.ですから,赤ちゃんの世話を手助けしてあげるだけでも,非常に大きなサポートになります.パートナーであれば,仕事から帰った夜に,あるいは土日の休みの日に赤ちゃんの世話をすることで,母親が解放される時間を作ってあげることが大切です. また,互いの両親や友人の助けなどを必要なときに受けられるような環境も大切です.最近では,家事代行業のように時間制で家事を手伝ってくれる会社やシステムもありますので,それを上手に活用することもよいでしょう.