ブックタイトル神中整形外科学 23版 下巻
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神中整形外科学 23版 下巻
摘されているが不明である.滑膜炎を中心に複数の要因を考えたほうが理解しやすい.LG?Ⅱ~Ⅳで関節破壊が軽度ならば尺側側副靱帯切離,尺側腱帽と側索の部分解離,伸筋腱中央化,尺側骨間筋腱の切離あるいは隣接指への移行(Straub 法:crossed intrinsic transfer),EIP の尺側移行などのバランス手術を行う(図6?215). (c)高度関節破壊を示す尺側偏位への手術 LG?Ⅲ以上ならば中手骨頭切除後に軟骨板としての掌側板,側副靱帯を利用した関節形成術がある.辺縁指以外への適応とはなるが,現在はバランス手術を併用したインプラント関節形成術が中心となっている.1950 年代から除痛,変形矯正,可動性獲得のため第一世代(蝶番型),第二世代(柔軟型),第三世代(表面置換型,半拘束型)と経時的に種々の人工関節が作られてきたが,強度も含めいずれも不満足であった.現在は第二世代の解剖学的構造と異なるスペーサーとしてのSwanson 型シリコンインプラントあるいはグロメットで耐久性増加をめざした型がまだ中心となっている.患者の満足度は高いが長期例では30~40°程度の伸展側に移動した可動域で骨融解,破損は免れない(図6?216).(2)PIP 関節に対する手術 種々の変形が生じ,疼痛,整容異常も含め日常生活に支障をきたしてからの手術となることが多い. (a)滑膜切除術 多くは再建術を併用するが,LG?Ⅱ,Ⅲで変形がなくともAnsel 法による早期切除術を考慮しても良い.両側の横支靱帯を側索より切離し側索,中央索を持ち上げ背側の滑膜を切除する.必要なら側副靱帯扇状部を掌側板より切離し掌側の滑膜も切除する(図6?217). (b)ボタン穴変形の再建 PIP 関節炎により中央索が障害され二次的に側索の掌側移動,斜支靱帯,終止腱の緊張となりMP関節過伸展,PIP 関節屈曲,DIP 関節過伸展となる.Nalebuff 分類でのⅠ型(軽度伸展不全:10~15° ),Ⅱ型(中等度:30~40°)はいずれも他動伸展正常で,Ⅲ型では高度伸展不全,屈曲拘縮が認められる.Ⅰ,Ⅱ型は一般外傷でのバランス手術で再建し,Ⅲ型やLG?Ⅳ,Ⅴでは関節固定術が中心となる.インプラント関節形成術には耐久性に注意を要する.736 部位別疾患/第6 章 前腕と手図 6?214 母指変形(Nalebuff 分類)と再建a :Ⅰ型 MP 関節炎によるボタン穴変形.b : Ⅱ型 CM 関節炎によるCM 関節亜脱臼,MP 関節屈曲,IP 関節過伸展,第1 中手骨内転によるまれなボタン穴変形.CM 関節への各種関節形成術が適応.c :Ⅲ型 CM 関節炎によるスワンネック変形.d : Ⅳ型 まれなMP 関節炎によるCM 関節中間位,MP 関節橈屈位,IP 関節中間位を示すゲームキーパー変形.MP 関節への固定,関節形成術が中心.e : Ⅴ型 まれなMP 関節炎によるCM 関節中間位,MP 関節過伸展,IP 関節屈曲位変形.MP 関節固定術が適応.f :Ⅵ型 多数関節の骨吸収,不安定性を示すムチランス変形.母指延長をかねた骨移植のみが適応.a b c d e f