ブックタイトル神中整形外科学 23版 上巻

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神中整形外科学 23版 上巻

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神中整形外科学 23版 上巻

長母指伸筋腱断裂の頻度も高い.足関節では外反変形を起こすことが多く,足底アーチが消失して扁平足を生じやすい.足趾では,第一趾が外反母趾hallux valgus を示し,第二~五趾のMTP 関節が伸展拘縮し,PIP 関節が屈曲拘縮する.いわゆる扁平三角状変形である(図②?58).なお,DIP 関節が屈曲拘縮の場合はかぎ爪趾claw toe,伸展拘縮の場合は槌趾hammer toe という.その他,肩関節では臼蓋・骨頭の破壊と腱板の菲薄化のため,上腕骨頭が内側上方へ転位する.膝・肘関節では屈曲拘縮が生じやすい.3 )関節外症状・合併症(表②?6)  a )発熱:炎症の程度が強い症例では発熱,易疲労感,食欲低下,体重減少がみられる.37℃台の微熱はまれではないが,38.5℃を超えることはまれである.  b )リンパ節腫脹,脾腫:身体所見として触知できるようなリンパ節腫脹や脾腫がある場合はフェルティ症候群や若年性特発性関節炎,成人発症スティル病,悪性リンパ腫を考慮する必要がある.  c )フェルティ症候群 Felty syndrome:脾腫に白血球減少を伴うRA をフェルティ症候群という.顆粒球は2,000/μL 以下に減少する.骨髄での顆粒球産生低下と末梢での顆粒球崩壊促進が推測され,脾機能亢進も関与している.RA の1%以下にみられ,95%はHLA?DR4 陽性で,RA の発症後10~20年で発症することが多い.50~70 歳の女性に多く,男女比は1:2~4 である.一般に発熱,体重減少,全身倦怠感など全身症状や関節炎は高度である.またリウマトイド結節,リンパ節腫脹,肺線維症,下腿皮膚潰瘍,皮膚色素沈着,上強膜炎など種々の関節外症状を呈しやすい.易感染性であり,皮膚,呼吸器,尿路,関節などの感染症を合併しやすい.  d )血液障害:貧血はRA の活動期にはほぼ全例でみられる.貧血は小球性低色素性貧血のことが多いが,慢性炎症による正球性正色素性貧血も混在している.RAの治療により疾患活動性が改善するにつれて貧血も改善することが多い.NSAIDs 潰瘍による出血が合併することがあり,注意が必要である.496 全身性疾患/第2 章 関節疾患図 ②?56  a :手指尺側偏位.b :環指のスワンネック変形と小指のボタン穴変形.c :母指のZ 変形.abc