ブックタイトル神中整形外科学 23版 上巻
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神中整形外科学 23版 上巻
ら始まることも,最初から多発性に始まることもある.数週間かかって慢性に始まることが多いが,数日の間で急性に始まることもある.朝のこわばりmorning stiffness はRA に特異的ではないが,しばしばみられる症状で,朝起きて関節を動かすと抵抗感や異常感のある状態がしばらく続く現象である.特に手指に起こるのが典型的であるが,全身の他の関節にも起こることがある.炎症が存在するときに起こりやすく,持続時間も長くなる傾向にあり,活動性の滑膜炎の存在を示す指標になる.健常者でも朝のこわばりを訴えることがあるが,多くは10分以内であり,活動性のRA 患者は1 時間以上のこわばりを訴えることが多い. 関節の腫脹と熱感は活動性の滑膜炎の存在を示している.手指では紡錘状の腫脹を呈する(図②?54).しばしば両側性,左右対称性に現れる.腫脹関節には関節液の貯留を認める.罹患部位では,手のPIP あるいはMP 関節,手関節,足指などに初発することが多いが,膝関節や肘関節などに初発することも少なくない.手指のDIP 関節が最初から侵されることはまれである.関節の腫脹,熱感は股関節では確認することは難しい. 関節の腫脹がRA による活動性の滑膜炎によるものか否か判断するためには注意深い診察が必要である.手関節や足関節では左右の比較が必要である.触診も重要であり,骨などによる腫脹,肉芽や線維組織による腫脹,脂肪組織による腫脹,皮下組織の浮腫による腫脹などを鑑別する.触診では関節液貯留も判別できる.膝では膝蓋跳動patellar ballotment やbulge sign としてとらえられる.腫脹関節点数は,RA 活動性の1 つの指標となる. a )関節の疼痛:多関節の自発痛と圧痛・運動痛を訴える.自発痛は疼くような痛みであり,天候494 全身性疾患/第2 章 関節疾患図 ②?53 a :X 線上の骨びらん.b :骨びらん部にみられる破骨細胞による骨吸収.a b図 ②?54 関節の腫脹示指,小指のPIP 関節に紡錘状の腫脹を認める.母指CM 関節,手関節も腫脹している.