ブックタイトル神中整形外科学 23版 上巻
- ページ
- 4/14
このページは 神中整形外科学 23版 上巻 の電子ブックに掲載されている4ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 神中整形外科学 23版 上巻 の電子ブックに掲載されている4ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
神中整形外科学 23版 上巻
1 )義手の構造 義手の基本は,ソケット,つなぎの部分,手先具terminal device の3 つからなる.構造上の分類として骨格構造modular type,殻構造(熱硬化性材質)がある.重量は変わらないが,一般的に前者が美容上好まれる傾向がある.2 )義手の種類 一般的に義手は,① 装飾用,② 能動,③ 電動の3 種類がある.このほか,各種の作業に合わせて手先具を作成する作業用義手がある(図??124). a )装飾用義手:最近は,材質の改良が進みパッシブハンドなど,指関節機能をもった装飾用義手が製品化されている.普通,用途に応じて能動義手と使い分けをすることが多い. b )能動義手:体外力源(上腕や躯幹を力源とする)からコントロールケーブルを介在し,手先具にその開閉力を伝達させる.手先具はフック型とハンド型がある(図??125). c )作業用義手:個別的な作業に合わせた手先具を作成する.最近は,レジャーやスポーツの種目などニーズに合わせ,QOL(生活の質)の向上に役立っている(図??126). d )筋電電動義手:わが国の義手支給制度の制約(労災でも両側切断に1 肢)が一因となり,欧米ほど普及していない.最近,電動義手に関心が高まっているが,まず能動義手の処方を原則とすべきと考えている(図??127).3 )義手の処方 最初にどのような型の義手を作成するかによって,その後の切断者の人生(QOL)を大きく変えることがあり,インフォームドコンセントのもと,慎重に処方を行う必要がある.そして最も大切なことは,使用者が義手(能動)へのモチベーションを高めるように,チームの連携プレーが調整されなければならない.それは高齢という理由で安易に装飾用を処方すべきでもないし,逆にリスク(心・肺機能など)をもっている切断者に,無理に能動義手を処方することも慎重でなければならない.少なくとも,当科では上腕標準断端長までの切断者に対しては,能動義手を装着することを基本としている. a )処方の決め手(決定因子): ① 切断端の問題:断端の習熟性・固定性とともに,筋力や関節可動域あるいは断端皮膚や切断・幻肢痛や圧痛にも注意しておく. ② 切断肢の機能:上肢の義手による代償運動を有効にするため,近位関節の可動域や筋力の評価をしておく.160 総論/第3 章 整形外科的治療法図 ??123 Krukenberg 切断例a :皮膚知覚残存で満足度は高い.b :ADL はほぼ完全に遂行可能.a b