ブックタイトルベッドサイドの高齢者運動器の診かた

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ベッドサイドの高齢者運動器の診かた

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概要

ベッドサイドの高齢者運動器の診かた

ロコモーショントレーニング(ロコトレ)  305練である.足底や関節からの体性感覚や視覚,前庭系からの情報が統合され,筋出力によって,狭くなった基底支持面内に重心を保つためのネットワークが総動員される.バランス能力の改善については,バランストレーニングや筋力トレーニングと組み合わせた複合的な運動療法でバランス改善の効果があり,立ち上がり動作や階段昇降を利用した低負荷強度の運動療法でもバランス能力の維持に役立つ 7).2)スクワット(図3) 8)足幅は肩幅より少し広めに,足先を約30°程度外に開いて立つ.立った姿勢から膝を曲げていくというのではなく,椅子に腰かけるようにお尻をゆっくり下ろし,膝先が爪先より前に出ないようにする.お尻を下げていくときに,膝が内側に入ったX 脚気味にはならないように,膝が曲がる方向は足の第Ⅱ趾に向かうようにし,膝は曲がっても90°を超えないようにする.これらは膝への負担が過剰にならないようにするためである.ゆっくり5 ?6 回の繰り返しを1 セットとして,1 日3 セット行うのを目安とし,程度に応じて,増減する.歩行に杖やウォーカーを必要としている人で,スクワットを行うのが不安定な場合は,机などに両手や指先をついた安定した状態で行う.背筋を緊張させ,よい姿勢を保つようにして行う.大腿四頭筋,大殿筋など,抗重力筋のトレーニングになる.ゆっくり行うことで,筋内の圧が高くなり,筋への血流量が減少し低酸素の状態となり,筋線維の肥大がうながされる.足幅は肩幅より少し広めに,足先を約30°程度外に開いて立つ.難しい場合は机などに手をついて行う.椅子に深く腰かけるように,お尻をゆっくり下ろす.膝は曲がっても90°以上曲がらないようにする.5~6 回繰り返し,1 日3 回行う.図3 ロコモーショントレーニング スクワット(日本整形外科学会ロコモパンプレット2010 年度版より)