ブックタイトルベッドサイドの高齢者運動器の診かた
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ベッドサイドの高齢者運動器の診かた
304 第Ⅳ章 高齢者運動器のリハビリテーションを理解するB ロコモーショントレーニング(locomotion training)概 説ロコモ対策の目標は,高齢になってもいつまでも自立して歩けることである.このためには,各年代に応じて,移動機能をチェックし,適正な運動習慣を身に付け,運動器の健康を維持することが重要である.対策の基本として,家庭でも実施可能な「スクワット」と「開眼片脚立ち訓練」をロコモーショントレーニング(ロコトレ)として勧めている.それに加えて,日常生活でウォーキング(歩行)など,身体をしっかり動かしている状況が勧められる.毎日のバランス訓練と筋力の増強訓練は,中高年者においても転倒を予防し安定した歩行につながる 6).ロコトレは少ない回数から開始し,少しずつ回数や距離を増やしていくことができる.また,スクワットでは腰(殿部)を下ろす角度を,浅くしたり,深くしたりすることによっても負荷量を調節することができる.ロコトレができている場合,移動機能のレベルに応じて,追加するものとして,フロントランジ,カーフレイズ,柔軟性のための運動・ストレッチングを示している.また,各地で行われるいわゆる「ご当地体操」や「ラジオ体操」やレクリエーションスポーツなどへの参加が勧められる.さらに,移動機能,運動機能の状況に応じて,水泳,卓球,テニスなどの競技スポーツ活動への参加も勧められる.ロコモーショントレーニング(ロコトレ)a)基 本1)開眼片脚立ち(図2)目を開けた状態で,片脚で1 分間立つ訓練である. 転倒しないように椅子や机などつかまる物の横に立ち,片脚を床につかない程度に上げ,そのまま1 分間保つ.右脚が終わったら左脚でも行う.これを1 セットとして,朝昼夜の1 日3 セットを行う.通常の片脚立ちが困難な場合は,しっかりした机や椅子に両手または片手を添えた状態で行う. トレーニング中は転倒しないよう配慮する.支持基底面を小さくし,身体を不安定な状態にして,バランス能力を高める訓転倒しないようつかまる物がある場所で行う.床に触れない程度に片脚を上げる.難しい場合は両手を机などについて行う.片脚1分で両脚行い,1日3回行う.図2 ロコモーショントレーニング 開眼片脚立ち(日本整形外科学会ロコモパンプレット2010 年度版より)