ブックタイトル骨折・脱臼 改訂4版

ページ
8/12

このページは 骨折・脱臼 改訂4版 の電子ブックに掲載されている8ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

骨折・脱臼 改訂4版

730  各論 第14 章 肩甲帯・胸郭部の骨折解剖学的靱帯再建術は正常な烏口鎖骨靱帯に近い強度が獲得できる.1 年以上経過した陳旧例の大部分は,整復に際し鎖骨外側端を切除する必要がある(図14-2-10).非解剖学的靱帯再建術の1 本の移植腱で烏口鎖骨靱帯を再建するAC GraftRope R(Arthrex)も陳旧例に使用されるが,解剖学的靱帯再建術より初期強度は弱い.ac db烏口肩峰靱帯人工靱帯図14-2-8 肩鎖関節脱臼の陳旧例に対する烏口肩峰靱帯移行術(31 歳,男性)受傷後7 ヵ月経過した陳旧例で,三角筋付着部と烏口鎖骨靱帯に骨化像(矢印)がある(a).三角筋を鎖骨・肩峰前縁から剥離し,烏口肩峰靱帯を肩峰前縁で切離する.鎖骨に骨孔を開けて烏口突起下と骨孔の間に人工靱帯を通しておく(b).フックプレートで肩鎖関節を整復固定後,人工靱帯を縛り,鎖骨外側端にサージオトームで作製した骨孔内に,Krackow 縫合を施した烏口肩峰靱帯を引き込んで固定した.鎖骨外側端には縫合糸アンカーを設置して肩鎖靱帯を縫着した(c).三角筋の骨化部は切除し,術後3 ヵ月でフックプレートを抜去した.術後1 年の単純X 線写真(d).interference screw半腱様筋腱図14-2-9  半腱様筋腱による解剖学的靱帯再建術(Carofino BC, et al:J Shoulder Elbow Surg 19:37-46, 2010)