ブックタイトル骨折・脱臼 改訂4版
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骨折・脱臼 改訂4版
32 総論 第2 章 骨折の定義(用語)と分類Yao ら(1988)やMink ら(1989)は単純X 線写真で明らかな骨折はないと診断された膝関節外傷患者のMRI で異常所見が認められる骨損傷の中に,骨軟骨骨折や顆部骨折とは異なり,骨髄のみに異常所見を示す症例があることを明らかにした(図2-1-3).これはMRI でのみ診断できる骨髄の骨傷であり,Yao らはこれを骨内骨折occult intraosseous fracture,Mink らはこれを骨挫傷bone bruise と定義している.このMRI の異常所見は骨髄内の骨梁の微小骨折microfracture,出血,浮腫を現す.好発部位はほとんどが骨端部で一部は骨幹端部にまで及ぶ.T1 強調画像で低信号,T2 強調画像で高信号に描出され,軟骨下骨板と連続したあるいはやや離れた部位の地図状陰影(帯状陰影も含まれる)として観察できる.Yao とMink は関節軟骨は損傷されていないと記載しており,関節鏡検査でも関節軟骨には異常がないことが確認図2-1-2 不顕性骨折の骨シンチグラフィー(26 歳,健康な男性.受傷後7 日目)医療器械を持ち上げたとき左股関節部に疼痛が生じた.翌日の単純X 線写真では骨折線は確認できない.受傷後7 日目の骨シンチグラフィーでは左大腿骨頚部に異常集積像が認められた.骨折治癒の進展とともに1ヵ月後に単純X 線写真で骨折線が明瞭となった.図2-1-3 骨挫傷単純X 線写真で骨折はない.MRI でも骨皮質や関節軟骨の亀裂はないが,脛骨顆部の骨髄内に輝度変化が認められる.