ブックタイトル血管外科 基本手技アトラス 改訂2版

ページ
9/10

このページは 血管外科 基本手技アトラス 改訂2版 の電子ブックに掲載されている9ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

血管外科 基本手技アトラス 改訂2版

ブックを読む

Flash版でブックを開く

このブックはこの環境からは閲覧できません。

概要

血管外科 基本手技アトラス 改訂2版

かりやすくなる.先端J 型ワイヤーを使用することは安全であるが,分岐部選択には不向きである.そこで,0.035 inch アングル型を使用し分岐部選択を行っている(図Ⅳ-16).c)治療血管の同定(造影についての工夫) シースを膝窩動脈遠位部まで進め,造影を行い下腿動脈および足関節以下動脈の状態を確認する.下腿3分枝近位部撮影の際に透視アームを対側約30 度回転させることで腓骨動脈と後脛骨動脈分岐が明瞭となる(図Ⅳ-17).また足関節以下の評価は,側面像,正面像を用いることで病変同定が可能となる(図Ⅳ-18).d)治療戦略 安静時疼痛箇所もしくは創傷箇所に応じ,Angiosome 概念を念頭に置き治療を行っている(図Ⅳ-19).Angiosome 概念に基づいた治療を行ったdirect 群と,基づかない治療を行ったindirect 群の治療成績を検討したところ,血管内治療後1年までの下肢イベント(大切断+再血行再建)発生率に関しdirect 群で65%,indirect 群で55% と2群間に有意差を認めている(図Ⅳ-20). ただし,創傷がRutherford Ⅵに相当する足背部を超えるような大きい潰瘍では可能な限り多くの下腿動脈を治療し,より多くの血流量を確保するようにしている.図Ⅳ-16 大腿動脈分岐部のアングル型ワイヤーでの選択大腿動脈分岐部深大腿動脈浅大腿動脈232 Ⅳ.血管内治療